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【ゴルフせんとや生まれけむ】鈴木紗理奈<前編>「マキロイの活躍で母のやる気に火?」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、タレントの鈴木紗理奈さん。

2年前のこと。それまで友達のコンペに呼ばれた時になんとかクラブを握るぐらいだった私が突然ゴルフにハマりました。きっかけは母です。 

一級建築士で会社も経営していた母は若い頃からバリバリ仕事をしていて、リタイア後は大阪で趣味のゴルフと旅行を楽しみながら悠々自適に暮らしていたんです。ところが、私が結婚、出産して子どもが3歳の時に離婚することになると、母はシングルマザーの私のサポートのため東京に来ることに。旅行やゴルフどころではなくなってしまいました。結果的に母から2つの楽しみを奪うことになってしまい、「申し訳ないなあ」「このままだと後悔が残るなあ」と思っていたんです。 

その後、息子が海外に留学することになり、母と私で息子を訪ねる機会ができたことで、旅行を取り上げた部分はなんとか返すことができたかなと思ったんです。となると、あとはゴルフじゃないですか。なんとか母にもう一度ゴルフをやってほしい。そのためには「まずは私がやらなくちゃ」と思ったんです。それで練習を始めたら夢中になり、すっかりハマってしまいました(笑)。 

で、肝心の母はというと、彼女もすっかりおばあちゃんになっていて、いくら私が勧めても「もう20年もやってへんし、今は歩くのもやっとやで。ゴルフなんてやらへん、やらへん」って取り付く島がない。母がやらないのに私ばっかりがこんなにハマってしまって本末転倒やなと思いながら、それでも事あるごとに「ゴルフやろうよ」と1年くらい諦めずに誘っていたんです。 

それが今年の春、たまたま一緒にマスターズ中継を見ていたら、マキロイがマスターズ初制覇。マキロイは、母がゴルフをしていた当時から活躍していた選手で「あら、マキロイやん。今もやってんねや」と優勝したのをすごく喜んで興味を示したんです。これはチャンスかもと思って、「今から打ちっ放しに行くからついて来て」と練習場に連れて行き「ねえ、5球でいいから打ってみない?」と水を向けました。そしたら母はやっぱり長年やっていたから体が覚えているのか、ボールをきっちりとらえて私よりバンバン当たるんです。

「いいやん、いいやん」っておだてて、翌日また練習場に行き「今日は20球打ってみようよ」、そして、またその翌日という感じで4日連続で行ったら100球打てるようになったんですよ。「これならカートの乗り入れができるところならラウンドできるじゃん!」と思って、大好きな丸の内倶楽部で母の20年ぶりのラウンドが実現しました。 

母はもちろん飛距離は出ませんが、アプローチとパターがめちゃくちゃ上手で、上がってみたら私より10打もスコアが良かったんです。負けず嫌いの私としては「何やの、それ?」ってちょっと悔しくも感じましたが(笑)、心にあったモヤモヤが晴れて「親孝行らしいことができたかな」とちょっとホッとしています。その後、猛暑が続いたのでラウンドはお休みしていますが、涼しくなったらまた一緒に行こうと計画しているところです。

>>中編につづく

鈴木 紗理奈

1977年、大阪府生まれ。92年「第回6全日本国民的美少女コンテスト」で演技部門賞を受賞したことをきっかけに芸能界デビュー。バラエティを中心にタレント、女優、歌手としてマルチに活躍。ベストスコアは92

週刊ゴルフダイジェスト2025年10月14日号より