【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.25「人の振り見て我が振り直せ」とはこのことね
シニアのための89ビジョン
飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら
- 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 以前、ツアープロと何度かラウンドしたことがあります。我々マスコミ関係者とのラウンドは、たいがい取材&a……
アマチュアゴルファーには、個性的で面白い人がたくさんいます。ドライバーで250ヤード飛ぶのに、スコアが95ぐらいの若者とか。そういう人には「あなたの飛距離と私の頭脳を足せば、すぐに70台を出せますよ」と諭します。
つまりコースマネジメントができてないんですね。
例えば350ヤードのパー4で、200ヤード地点にドッグレッグの曲がり角があるとします。そこを、やたらショートカットしたがるとかね。レイアウト通りに200ヤードを刻んで打って、残り150ヤードをグリーン狙いすれば良いじゃないですか。どうせショートカットをしても80ヤードぐらい残ります。結果、2オンには変わりないでしょ。ショートカット狙いをしても、成功確率は半分。そのリスクを背負う必要はないのです。例えば470ヤードのパー5をショートカットして、2オン狙いするなら分かります。パー4はショートカットしても、叩くリスクが増すだけですよ。
こんなことを言うと、飛ばし屋は「あなたは男のロマンが分からないんだ」と言い返してきます。いや、男のロマンは飛距離じゃなくてスコアでしょ。まず1回私にスコアで勝ってから、ロマンを求めてください(笑)。とまあ、今回は、「人の振り見て我が振り直せ」ということで、“飛ばし屋あるある”を例に、コースマネジメントを考えてみます。
池越えの距離
ときどき遭遇する池越えホールですが、どれぐらいの距離なら自分で越えられると思いますか。自分のことを例に出すと、フェアウェイからだと5番ウッドで170ヤード強飛びます。では170ヤードの池を越えられると。いえいえ、池の縁は下り斜面なので、現実的には池ポチャになるでしょう。正解は自分の飛距離マイナス20ヤード、150ヤードで越える池なら狙います。だから160ヤード池越えあたりが悩みどころかな。スコアを気にせず、いろいろ試すなら170ヤードでも挑戦しますが、コンペなどでスコアを出したい日だったら、150ヤードで抑えるべきです。池越えを狙えると思いきや、芝が薄い、ライが悪いなんてことがよくありますから。
ラフの番手
飛ばし屋さんはヘビーラフでもウッドやUTを持ちがち。少し学習した方は4~5番アイアンとかね。でも妥当なのはスチールシャフトの7~8番アイアンあたりかな。それくらいで十分でしょ。ラフから番手通りの飛距離はなかなか出ません。セミラフならフライヤーがありますが、ヘビーラフで飛び過ぎは基本ないです。たまにラフからグリーンを狙い、またラフに入る人がいますけど、それだけは防ぎたいところ。長いラフで距離を出したいといっても、打ててせいぜい番手の半分強ほどの飛距離です。あんまり無理をして打つと手首を痛めますよ。
バンカーはSWしか使わない
ティーショットはドライバーで打つという考えの人は、バンカーはSWで打つという固定観念を持ちがちです。大きいバンカーにつかまり、ピンまで50ヤードぐらい残ってもSWでマン振りしがち。そこはAWやPWで楽に打てますので、試してみる価値はアリです。
アプローチは上げたがる
これも、なんとかのひとつ覚えで、飛ばし屋さんはアプローチのとき、ボールを上げたがるんですよね。転がしはカッコ悪いという美意識でしょうか? 結果を伴えば、それなりに絵になりますが、なかなかどうして。ミスをよく見かけます。しかも、「転がしは距離感を出しづらい」なんて言いますから。ゴルフは距離感を出すんじゃなくて、スコアを出すスポーツです。
余韻をかみしめる
飛ばし屋で多いのが、会心の当たりをして250ヤードドライブ、あるいはパー3でナイスオンなどをすると、自分のショットにほれぼれして、フォローを取ったまま動かずにいることです。「あっ、この人余韻をかみしめているな」ってね。嬉しい気持ちは分かりますが、そうやってたまに“記憶”に残るショットをしたところで、大事なのはスコアという“記録”ですよ。80台前半やハーフ39ぐらいを出して、スコアカードを見て余韻に浸るほうがいいかと思います。上手い人から見れば、それくらいで余韻に浸ってたら、毎ショット余韻になっちゃいますよね。

教える人/木村和久
「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー
週刊ゴルフダイジェスト2025年9月23日号より


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