【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.19「好きなことをやってスコアを伸ばす」
シニアのための89ビジョン
飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら
- 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 今回は戦国時代の戦術から、ゴルフの撤退戦を考えます。これは勇猛果敢なことをしろというのではなく、むしろ逆で「い……
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますよね。ゴルフにも自分の得意なショットや攻め方があるはず。すでに皆さんはベテランゴルファーですから、今さら苦手クラブ克服や、新打法を導入するよりも、自分の得意分野を伸ばせば良くないですか?
この考えの元となったのは、野球のイチロー選手のお父さん、“チチローさん”の教育方針です。以前インタビューした時、食事の話をしました。イチローさんに嫌いなものは食べなくていい、好きなものだけ食べなさいと教えたそうです。体力作りが大事で、まず体を大きくさせる考えが優先でした。イチロー選手の好き嫌いはまだ残っているようですが、殿堂入りする偉大な野球選手になれたのだから、チチローさんの教育方針は間違ってなかったのです。というわけでゴルフにおいて“好きなことをやる作戦”開始。
サブバッグ5本槍
ゴルフの練習はサブバッグに好きなクラブを5~6本入れ、練習場で打ちまくればいいんです。つまり苦手クラブを克服するよりは、好きなクラブの練習に磨きをかけるほうが、効果的ということです。
以前、鶴舞CCで5本のクラブしか使用できない競技に出場し、ハーフ39を出したことがあります。その時の寄せはSW1本。当然相当練習しました。30ヤードはSWでこれぐらいの振り幅で打ってと、体に染み込ませたのです。最近そのアプローチ技が復活し、再びピタピタ寄るようになりました。しかも同じSWを使用してです。体は不思議とその感覚を覚えています。25年前の鶴舞CCの競技、あの時のショットイメージが、今でも脳裏をかすめますね。
バンカーが苦手
バンカーが苦手な人は結構います。オヤジになって、なんとかバンカーの外に出せますが、この前はひどかった。大雨が降ってからカンカン照りになり、砂が硬くなって跳ね返され、ホームラン連発でした。このような硬い砂の時は、バンカーに入れないようにラウンドしたいです。ナビのレイアウトを見て、極力バンカーは避ける。150ヤードぐらいの距離ならピンを狙わず、クラブを1番手下げて、グリーン手前で止めるとかね。極端にバンカーを避ける作戦をやったほうが、スコアはまとまりますよ。
あと“デカサンド”のような、お助けクラブ。初心者っぽく見えますが、恥を忍んで1本入れています。目玉とか、どうしようもない場合あるじゃないですか。そういう時ヘッドの重みを使って振り下ろせば、バンカーから出せます。ルール違反じゃないので、お試しあれ。
スピンやダウンブローはなし
昔はダウンブローを打ちたくて突っ込みまくり、ターフを取ったと思いきや、それはただのダフリだった。よくありますね。バックスピンも憧れたけど、めったにスピンはかからず。トップとダフリのオンパレードです。結局、高等テクニックはアマチュアに必要ないことが良く分かりました。
昔、後藤修先生に教わったのは、グリーンに直接乗せないで、手前にワンクッションさせるアプローチです。60~70ヤードぐらいは、PWや9Iを使い、転がり分を計算してグリーンに乗せる。アマチュア的には、大した技術も要らず、このほうがミスショットが少なく、スコアもまとまる、と。特に芝が薄いとか、傾斜があるとか、難しいライから打つ時に役立ちました。
カッコ悪い打ち方が、実はカッコいい。先日「そこワンクッションですか、渋いですね」と褒められました。ゴルフって簡単な技の繰り返し練習が一番大事です。
ドライバー心中作戦はあり
ティーショット(パー3以外)は、ドライバーのみという人が結構います。それだけドライバーが好きなら構わないでしょう。
話を聞くと刻んで打っても結果は一緒だから。慣れないクラブでティーショットをしてリズムを壊したくない。ドライバー以外考えたこともない等々あります。
そういう人はドライバーのシャフトを替えたり、サブのドライバーを持っていたりと、それなりの工夫をしているはず。
好きこそものの上手なれ、アマチュアのゴルフはあくまで趣味ですから、好きなことを好きなようになさるがよろしいです。好きなクラブで好きなコースを好きな仲間とラウンド。自ずとスコアアップすると思います。

教える人/木村和久
「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー
週刊ゴルフダイジェスト2025年8月5日号より


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