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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.229「自分の体を知り、知識を得る」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 >>前回のお話はこちら 先日、知り合いがギックリ腰になりまして、痛みや炎症があるうちは患部を冷やし、それが収まってきたら温めるというギックリ腰の基本的な応急処置を教えました。僕は、かかった医者は50軒は下らない……

僕が2月にタイで突然襲われた「ギックリ背中」は、胸の真裏あたりの背中が激しく痛むもので、正式には「筋・筋膜性疼痛症候群」いうて、背中の筋肉や筋膜が肉離れのような状態になってしまうようです。

ギックリ腰と同様に、筋肉の衰えや硬直なんかが進んだ状態のときに、急激に強いストレスがかかったりすると起こりやすいそうなので、まあなんでもそうですが、普段のケアが大事いうことです。

シニアの最終予選会が間近にあったので、なんとか治さんといかんと思って、いろんな病院を回りました。すごい効果があったいう人がいたので、幹細胞の点滴というんも受けましたけど、僕の場合は、ちょっとましになった程度で、痛みが取れることはなかったですね。


結局予選会は諦めたものの、開幕戦が今年は所属の宝塚クラシックで行われたので、開幕直前に、いわゆるぺインクリニックに行ったんです。そしたら先生から、「奥田さん何でブロック注射しなかったんですか」と言われて、そう言われたらそうやなって思ってね。

最初にブロック注射を打っとったら多分、最終予選会も出られてたと思いますわ。ブロック注射は、基本は麻酔と消炎剤を入れるもので、歯医者で抜歯するときに麻酔注射したらしびれて感覚がなくなるやないですか。あれと同じ状態になるんで痛みを感じなくなる。それで2日くらいしてしびれが消えたときに、消炎剤によって炎症が収まっていれば痛みが引いてクラブも振れます。

それでも痛みがあったら、今度はステロイドを入れた注射をするんですが、ステロイドは一番効くんやけど体に影響があるのでそんな頻繁には打てない。それにスポーツ選手はドーピング検査がある場合は、引っかかる可能性もありますからねと言われました。

今回は、ギックリ背中のおかげでめっちゃ勉強になりましたわ。

いざというときのためにこういった知識は持っておってもいいかと思いますけど、一般的にはストレッチでしょうね。基本は毎日少しずつ、ヤバイと思う手前で止めることです。ヨガの先生になるわけでもないのに、体を柔らかくするために急激に強いストレスをかけるのは危険でっせ。

「いろいろなケガをしてきましたけど、そこから学ぶもんも多い。やっぱり日々のストレッチは大事ですよ」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年6月17日号より