【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.4「3パットを防ぐ極意」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら
- 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 皆さん、難しい戦略的なホールに遭遇すると「ここは刻んで」と思いますよね。でも実際、何をどう刻むのか、そ……
80台を出すにはまずスリーパットをしないこと、アマチュアゴルファーはこれに尽きます。とはいえ現実には出るわけで、あらかじめ設定した一定の距離からは決してスリーパットを打たない線引き、すなわち防衛ラインを構築しないといけません。
それはズバリ10メートル、大股の10歩でも構いませんが、その距離は是が非でも2パット以内にとどめたいです。
では2パットで収める極意は何かと言えば、それはいかにして“オーケー”を取れるかです。下手に狙ってオーバーし、返しを外して3パットしたら目も当てられません。アマチュアで10メートルのパットが直接入るのは、盆と暮れの年2回ぐらいと悟ったほうがよろしいです。
それでは80台を出すパット作戦開始です。まず朝コースに来たときにやる、ルーティンから。
最初は真っすぐを打つ練習
「ゴルフのショットはドライバーからパターまで全て一緒」そう語ったのはジャンボ尾崎・中嶋常幸選手の師匠、後藤修先生です。
昔、後藤先生のところに3年ほど通っていました。先生の言っていることは難解で、何を言っているのかチンプンカンプン。最近その真意が少しわかって来ました。
パターにも他のクラブと同じような、ショットの概念があるのです。つまり方向性と距離です。
パターにおける球筋は漫画の世界を除き、通常ストレートのみです。だから真っすぐ打てるスウィングを確立させれば良いとのこと。練習は平らな面で1~2メートルを打ちます。パターだけは好きなフォームで打ってよろしいのです。ただし上達の秘訣は繰り返しの反復練習のみ。だから朝来たら、取りあえず5分ぐらいは1~2メートルの真っすぐラインを打ちましょう。
この単純な練習を2001年に北海道クラシックGCで行われた、日本アマの決勝前日に見ています。打つのは宮里優作選手、腕を組んで見ているのは父親の優さん。1.5メートルほどの真っすぐを2時間くらい100%の確率でカップに入れていました。でも優さんは「引っかけた」「開いた」と指摘するわけ。休憩時に優作選手はぼそっと「パターの練習好きなんです」と言うからびっくり。翌日、宮里優作選手が優勝したのは言うまでもないです。
10メートルを寄せる練習
パターで真っすぐが打てたら、次は距離の出し方です。まず10メートルを平面で打ち距離感を養います。スティンプメーターの速度はあくまで目安、実感が大事です。
今後の展望としては、速いグリーンに慣れるのが大事です。扶桑CCのベントは10フィート程度と速めです。だから入会して半年ぐらいは全然タッチが合わず嘆いていました。その後、慣れてタッチも合って来て、今じゃ10メートルのパットが入ったことも何度かあります。結果10フィートに慣れると、一般的な9フィートのグリーンは楽に寄せられます。どこか速いグリーンのコースを見つけ、通って練習したほうが良いですね。
迷ったら真ん中に打て
ラインを見てフックやスライスの判断がつかない時は「真ん中ピン狙い」が鉄則。2メートル以内ならどっちに切れてもカップインの可能性があるからです。
パットブレークで80台達成
80台達成のコツはパットブレークさせることです。30ヤードのアプローチでピン1~2メートルにつけ、そこからカコーン! 見事寄せワン達成です。あるいは3~4メートルのパットが入る。アマチュア的には、そうやって弾みをつけて、パットがどんどん入るゾーンに、自ら突入しないと80台は出ません。だからスタートが大事、最初のショートパットや寄せるべき10メートルのパットは、失敗しないように慎重に打たないと。
逆に残り1メートルのパットがカップに蹴られて入らない。しかも続けて3回は痛い。そういう時、今日はショットの日だ、パットの日じゃないと言い訳しましょう。
人にやさしくオーケー
ブルーハーツの歌じゃないですが「人にやさしく」の精神は大事です。だから同伴メンバーへのオーケーは甘めにしましょう。
さすればこちらの微妙な距離のパットも、相手がオーケーを出してくれるというもの。アマチュアは気難しい同伴おやじを、優しい“オーケーアンクル”に変えることが肝要です。プレー中の駆け引きととらえ、うまく調略しましょう。

教える人/木村和久
「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月15日号より