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【名手の名言】ボビー・ジョーンズ「人生の最後にいちばん大事なのは、何人のゴルフ仲間を得たかである」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は“聖球”ことボビー・ジョーンズの含蓄のある言葉を2つご紹介!


人生の最後にいちばん大事なのは
どれだけの財産を得たか、ではない。
何人のゴルフ仲間を得たかである

ボビー・ジョーンズ


人は人生の最後にどう思うのだろうか?

ジョーンズはゴルフ史上不滅の記録を残した。しかし、そのことより晩年ゴルフ友達と過ごした日々が価値があると、ジョーンズは述懐したのである。

唐突だが、一介の奉公人から天下を取った豊臣秀吉は、辞世の句でこう詠んでいる。

露と落ち 露と消えにし 我が身かな なにわのことは 夢のまた夢

人生の最後においては、過去の偉業などは白紙化してしまうことのようである。そこで今、いちばん大事なのは何かということであろう。

この言葉どおり、ジョーンズは晩年、故郷アトランタで、何人かの友人と親交を深めるゴルフに興じて、人生の幕を下ろした。

仲間に囲まれて過ごす。その延長線上に現在のマスターズがある。

故郷にゴルフコースをつくり、友達を招いてゴルフをしようというのが、始まりだったのだから。

そのことを発案し、レールを敷いたのもゴルフ仲間であり、こんなに多くの言葉が残っているのも、仲間の一人、O・B・キーラーが伝記として著作してくれていたからである。


ボールをカップに
ジャストタッチで打てば
入り口はカップの
正面、後方、左右と4つあるのだ

ボビー・ジョーンズ


「カップの縁の向こう側に当たるくらい強く打て」という人もいる。強めに打てば曲がるラインは直線的になって狙いやすくなる。気持ちもアグレッシブになる。

パットの名手、青木功はこのタイプだ。全盛時代はカップの向こう側に当たってはねるくらいの強さで打って、伝説的勝利をおさめてきた。しかし、強く打たれた球は入り口が正面ひとつしかないというのも、半面真実である。

2009年のサン・クロレラ クラシック。17歳の石川遼は、豪州の強者、ブレンダン・ジョーンズと16アンダーで並び、首位で最終18番ホールまできた。

ジョーンズは先に4メートルほどのバーディパットを外したが、遼はピン左2.5メートル。これを入れれば優勝である。

アドレスし、柔らかく打たれた球はカップ前でわずかにスライスし、最後のひと転がりで右カップへと落ちた。まさにカップぎりぎりのジャストタッチであった。

球聖の名言がするりと腑に落ちた瞬間だった。

■ボビー・ジョーンズ(1902~71年)

米国ジョージア州アトランタ生まれ。父親がゴルファーで生家も庭がゴルフ場続きでもあり、5歳で自然にクラブを握る。14歳で全米アマ出場後、数々の選手権に優勝。1930年には世界の4大タイトル、全米、全英両オープン、両アマに優勝、年間グランドスラムを達成。この記録はいまだに破られていない。全英オープンに勝ち、祖国に凱旋した時は国民的英雄となった。これを契機にアマのまま引退。故郷アトランタに戻り弁護士活動の傍ら、オーガスタナショナルGCを設立、マスターズ・トーナメントを主宰した。

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