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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.140「20年前の変則スウィングが今の主流に?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

1990年代後半から2001年ごろに活躍したデビッド・デュバルという選手を覚えているだろうか。1998年には世界ランキング1位となり、2001年には「全英オープン」にも勝っている。タイガーのライバルと言われるほど強い選手だったのだが、スウィングがまぁとにかく独特だった。

めちゃくちゃフックグリップで、めちゃくちゃシャットにクラブを上げ、フェースローテーションをせずに、体を開きながらクラブを下ろし、ボールを見ずにインパクトする超ルックアップ打法。

日本では当時、極力頭を残し、積極的に手首を返し……というスウィングが主流だったので、デュバルのスウィングは、かなり個性的に映った。

でも今となっては、これのどこが個性的なの? って感じだよね。最近ゴルフを始めた人ならとくにそう感じるだろう。そう、あの変則スウィングは、20年のときを経て、今や主流のスウィングとなったのだ。

その昔、デュバルを見たとき「なんでこの人、こんなにルックアップしてちゃんと当たるの?」「なんでそんなにシャットに上げて、フェードが打てるの?」と衝撃を受けた。で、まさに“遊ぶつもり”で真似してみたところ、目からウロコが落ちたのだ。フェースを閉じつつ、体の回転で打つと、ちゃんとスクェアで打てるじゃないか! そして飛ぶ! しばらくそれを続けてみると、腕を思い切り振らなくていいから疲れないし、ルックアップすることでインパクトの衝撃が逃げるから腰も首も痛くないことがわかった。まさに、いいことずくめだった。

そこからボクのスウィングは、レイドオフで体の回転で打つスタイルとなった。もちろん、日本では最先端すぎて、周りで取り入れている人はいなかった。だから、いろいろ言われたよ。汚いスウィングだとかなんだとか。でも気にならなかったね。だって、振ってて楽で、その上飛距離まで伸びる。それ以上いいスウィングなんてある?

ただし、それはあくまでボクにとっての話。万人向けという意味ではない。体の回転が遅い人は、無理に真似する必要はないと思う。手首を積極的に使ってドローを打ちたい人も然り。レイドオフよりもクロスのほうが合っている。あと、さすがにかなり少数派かもしれないけど、もちろんパーシモンを使っている人にも合わない。

それを理解して、レイドオフを目指しているならいいけど、流行っているからという理由だけなら、ちょっと危険。あくまで、いいスウィングというのは、人によって違うもの。だから、他人の意見は参考程度にとどめ、あれこれ研究して、自分に最善なものを自分で見つけるのが一番よい。それが一見、ヘンテコでも気にしない、気にしない。

20年後、「やっと時代がボクについてきた」。そう言える日がくるかもしれないよ。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2020年1月21日号より