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【ゴルフイップス解体新書】#2 イップスの原因は3つ! 自分のタイプを知ることが克服の第一歩

忌まわしい「イップス」の原因と対処法について、メンタルコーチの石井亘氏が徹底解説する「ゴルフイップス解体新書」。イップスの原因としては、主に「トラウマ型」「自己暗示型」「神経不全型」の3タイプがあると石井氏は分析する。

前回のお話はこちら

GD 前回、イップスの原因には3つのタイプがあると伺いました。詳しく話を聞かせてください。

石井 分かりました。私が考える3つの原因は、次の通りです。
①トラウマ委縮の条件反射型
②マイナスの自己暗示型
③メンタルモデルの神経不全型

GD なんだか難しそうです……。

石井 分かりやすくするため、①トラウマ型 ②自己暗示型 ③神経不全型と呼ぶことにしましょう。

GD 私の場合はどのタイプになりそうでしょうか?

石井 ラウンド中にシャンクが連発するということですが、きっかけとして思い当たる事柄はありますか?

GD 前々からシャンクはたまに出ていましたが、数ラウンドに1回程度でした。しかしあるとき月例競技に出ていて、なんでもないパー3で4連続シャンクをしてしまったのです。6番アイアンで3連続OBとなったあと、4回目のシャンクはなんとかセーフでしたが、そのホールは「12」。それ以来、1ラウンドで2~3回、ひどいときは10回近くシャンクすることもあり、怖くて競技はおろか、仲間とのラウンドにも行けないように……。

石井 間違いなくトラウマ型ですね。

GD 私も話していて、うすうすそんな気がしていました。

石井 実はゴルフイップスの主な原因は、なんらかの“事件”をきっかけとする①のトラウマ型であるケースがほとんどなんです。

GD 私の4連続シャンクも間違いなく“事件”でした。

石井 2013年の賞金女王に輝いた森田理香子選手も、その年の3ツアーズ選手権でアプローチのミスをしてしまったのを観客に笑われたことが、イップスの原因になったとある記事で語っていました。

GD 周囲からすれば些細なことかもしれませんが、当人からするとトラウマになるような“事件”だったわけですね。

石井 なんらかの事件をきっかけとして作られた「恐怖心」が、ほとんどのイップスの始まりであり、原因です。そこからどのようにイップスが深刻化するかで、タイプが分かれます。

GD 最初は軽度のイップスだったものが、徐々に重症化していく。その方向性が、タイプによって変わってくるわけですね。

石井 ひたすら失敗を重ねて恐怖心を大きくしてしまう人もいれば、自己暗示で強めてしまう人も。こうしたトラウマ型や自己暗示型のイップスは、ゴルファーの性格的な要素が大きく、レベルを問わず起こり得ますが、③の神経不全型に関しては、長年の鍛錬によって強固なメンタルモデルが作り上げられた人でないと起こり得ません。つまりプロやベテランの上級者にのみ当てはまるパターンといえます。

GD メンタルモデルとは?

石井 これについては後日詳しく説明します。最後に②の自己暗示型ですが、もしこれがイップスの原因だった場合は、比較的簡単に治る可能性があります。

GD 本当ですか! どんな方法で!?

石井 まあまあ落ち着いて。まずは①のトラウマ型から、順を追って詳しく説明していくことにしましょう。

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石井 亘

いしい・わたる。ゴルフ好きのメンタルコーチ。「本来の力を発揮させる!」を信条に、20年にわたり、プロやテスト受験生、アスリート、音楽家、医師、経営者、中高生など1000人近くを指導。「メンタルトレーニング石井塾」主宰