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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.816「前向きな人は自分だけでなく周りも幸せにする力があると思います」

KEYWORD 岡本綾子

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

前回のお話はこちら


岡本さんはゴルフのことに限らず、読者から寄せられるどんな質問に対しても、いつも丁寧に回答されていますが、岡本さんでも分からないこととかあるのでしょうか。(匿名希望・47歳・HC6) 


変化の激しい今の時代。

次々に目や耳にする新しい話題ばかり。

世界のさまざまな人がどのようなことを考えているか、まったく見当も付かなくなってきたというのを実感する今日このごろです。

ただ、若いときには分からなかったことが、年齢を重ねて振り返れば、そうだったのかと腑に落ちるということは多々あります。

先日、ラジオを聞いていて「広島県内で100歳以上の方が1017人(うち女性は870人)もいる」ことを知りました。

日本人の平均寿命も伸び100歳といっても、今ではそこまで珍しくなくなっています。

人間、いつになったら迷ったり悩んだりしなくなるのでしょう?


80歳、90歳、それとも100歳?

いや、すべて分からなくても不都合はないのではないかしら。

そんなことを思っていたとき、広島県在住のおばあさんの言葉を集めた本が話題になっていることを耳にし、手に取ることになりました。

今年の4月に満104歳を迎えた元小学校教師の石井哲代さんの『103歳、名言だらけ。なーんちゃって』(文藝春秋刊)。

地元の中国新聞に連載された名物コラムをまとめたもので、田舎の一人暮らしを続けてきた、それこそ「おばあちゃんの知恵」の集大成といえます。

読んでいて思うのは、長生きする人は前向きということでした。

文中でこんなふうに言っています。

「命に限りがあるのは当たり前のこと。(中略)わたくしの人生です、人頼みにはできません。自分を助けるのは最後まで自分しかおらんですね」

「終わりのことばかり心配して今を楽しまないともったいない」

こう言葉を並べてみると、まるで超一流のアスリートみたいに見えませんか?

その珠玉の言葉は、自信を失っている運動選手のみならず、悩める現代人みんなを元気づけているようにも思えます。

人生経験を積んだからといって、賢く生きる方法を必ず身に付けられるとは限らない。

石井おばあちゃんの本は20万部を超えるベストセラーになっているそうですが、高校生以下の若い人が読んでいるとは思えません。

やはり、自分の先行きが気になってくる中高年から高齢者予備軍といった年齢層の読者が、おばあちゃんの知恵を拝借しようと読んでいるのかもしれませんね。

石井おばあちゃんは、できることはできる、できないことはできないと分かっています。

決して無理もしない、このあたりはわたしと共通する部分があるかもしれません。

自分でできることは一人で積極的に行動しますが、できないことを悔やんだり悲しんだりはしない。

それと、いつも好奇心をたくましくしているところも似ていると思います。

わたしも自分で言うのもなんですが、研究熱心なほうではあります。

視野を広く保ち常に頭を働かせ続けアイデアを行動に移す。

そうすれば成功するとは限りませんが、そうやってきたと思います。

ですから、分かるといっても意味はいろいろなのだと思います。

石井おばあちゃんは、美味しいものを食べ、散歩をして、時には唄を歌ったり、最近は思い付いたこと、感じたことを詩に書いてみることを始めたそうですが、これを読んですごいと思いました。

ゴルフのレッスンでもなんでもそうですが、教わっただけでは身に付かないものです。

言葉で教えられ、頭で理解しても、自分のなかに浸み込んでくるには、ある程度の時間と自分なりに体を動かすという行動が必要だからなのでしょう。

それが物事をマスターするということなのだとわたしは思っています。

わたしには、まだまだ分からないことだらけです。

でも、そんなことは当たり前なのです。

70歳を超えてなおこれから何か初めてのことに挑戦してみたい。

いま、そんな期待感に包まれているところです。

「さあ、いまから何に挑戦しようかな~(笑)」

週刊ゴルフダイジェスト2024年6月11日号より

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