【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.123 スウィングのルーティンよりも“練習のルーティン”!
家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!
ILLUST/Masaaki Takauji
ゴルフで「ルーティン」というと、打つ前の手順を思い浮かべるだろう。もちろん、それも大事なのだが、もっと大事なルーティンがある。それは練習のルーティンだ。
ボクは「ラウンド前にショットの練習をしない」というルーティンを守っている。どんなに時間があろうが、スウィングに不安があろうが(ほとんどないけどね)、ショットの練習はしない。するのはパットとアプローチのみ。プライベートのラウンドだけでなく、試合でもしない。日本アマとか国体とか、大きな試合であっても、しない。一度だけ周りに「練習くらいしなよ」と言われ、練習したことがあるのだが、その時、最初のティショットがものすごく辛かった。それは、慣れないことをしたせいだ。やっぱり、ルーティンは守るべきだ、とそのとき思った。
よくラウンド前にバカスカ打っている人がいるけど、逆効果になっていないか心配になる。その人にとって、「ラウンド前はバカスカ打つ」ことがルーティンならいいけど、そうでないなら、あまりオススメはしない。
もっと言えば、朝コースで練習するなら、日ごろから練習は朝にするべきだとも思う。朝は仕事があってできないから、練習はいつも夜、というなら、練習はラウンド後にしてみてはいかがだろう。いやいや、ラウンド前に打たないと不安だ、という人は、せめて準備運動で体を十分温めてから打ち始めたい。いつも朝、体を動かしていない人が、いきなりドライバーを振り回すと怪我をしかねないからだ。ゴルフで腰を痛めた、というのはそれが原因であることが多い。
「忙しくて、月に1回しか練習する暇がないから、朝も夜も関係ない」という人もいるだろう。だとしたら、なおさら朝から球を打つのは避けたい。不安だから打ちたい気持ちもわかるけど、打ったら余計に不安になるのが関の山だ。
そういう人にボクからアドバイスをするなら、まず月イチの練習で、真っすぐ打つ練習をしないこと。練習の目的はスウィング構築でも、球筋改善でもなく、自分の球がどっちにどれだけ曲がるかをチェックする。これに終始したい。いずれにせよ、間違っても、朝コースでスウィングを直そうとしないほうがいいだろう。
あとは、ラウンドで「うまくいくかも」なんて色気を出さないこと。成功するイメージを抱いたほうがいいなんて話もあるけど、それは70台で回る人の話。80台以上なら、「うまくいくかもしれないけど、自分のレベルなら、このくらいかな~」ぐらいの気持ちでいたほうがいい。ゴルフなんて毎日練習してもミスするんだから、月イチの練習なら100%ミスでもおかしくない。そう思ったほうが、力まずスウィングできるよ。
何はともあれ、スウィングのルーティンよりも、練習のルーティン! ぜひ、一考してみて。
普段から朝、練習をしない人はラウンド前に球を打つのはオススメしない。どうしても打ちたいなら、入念にストレッチし体をほぐしてからにしよう
全員がチャンピオン! 二宮家
週刊ゴルフダイジェスト2019年9月10日号より