Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.115「林に打ち込んで天を仰いでも、空が美しければヨシ!」

【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.115「林に打ち込んで天を仰いでも、空が美しければヨシ!」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

東京から来たお客さんはよく「二宮家は平和でいいですね~」と言って帰っていく。東京と比べると今治はのんびりしているし、二宮家はほとんどケンカもしないし、確かに平和である。

そんなボクでもゴルフでは別。昔はかなりイラレ(気が短いという意の方言)やった。“素トリ”でも叩こうものなら「はぁ???」と、勝手にキレていた。

それをあるとき、改めた。全力でリラックスするようにしたの。大叩きしたら、雲のカタチを見たり、木のカタチを見たりして、意図的に気持ちを切り替えるようにした。そうしたら、すべてが好転。前半叩いても、後半持ち直せるようになったし、前半調子が良かったら、後半もそれを維持できるようになった。

雨の日。当然、濡れるのは嫌だ。でも、嫌だ、嫌だと思いながらラウンドすると、本当に楽しくないし、集中もできない。カッパを着ても濡れるもんは濡れる。それに風呂に入れば、どっちみち濡れるんだから一緒や。と思うようになったら、まったく雨が苦にならなくなった。

パー4でOBを2連発したら。そのホールはパーでも8。普通ならテンションがダダ下がりとなるが、そこをぐっとこらえ、「よし、7で回ったろ!」と気持ちを切り替えるようにした。その結果9を打ってもいいのだ。だってその後、バーディを5個とればチャラなんだから。

なんて、言うのは簡単。もちろん、そんなうまくはいかない。むしろ取り返そうとすればするほど、力み、自滅するパターンも多いだろう。誰でもミスが続けば力むのは当然だから、最初から2番手大きいクラブを持てばいいのだ。そうすると力が抜け、次第に復調してくるはずだ。

ボクは大叩きをしたら、まずはまったく違うことを考え、気持ちを切り替える。その上で、次のホールは、わざといつもと違ったことをする。この2点を心掛けている。大叩きの次が150ヤードのパー3だった場合。いつもと同じように8Iを持つと、力んで左にひっかけバンカー……なんて結果になりかねない。そんなときはあえて7Iもしくは6Iを持ち、テキトーに打ってみる。それで意外とパーがとれたりするものだ。ボギーでもOK。そのとき「テキトーに打っても、一生懸命打っても、結果が変わらないじゃん」と気づくだろう。それでいい。

みんな一生懸命やりすぎなのよ。結果は結果でしょうがない。そのくらいの技量だと受け止め、とりあえず最初のうちは、とにかくプラスに考えてみて。スタートからいきなりダボ、ダボ、ボギーでもいいの、いいの。練習だと思えば。林にぶち込み天を仰いでも、空が美しけりゃ、ヨシ。たまには遠回りもいいもんだ、なんて思えたら楽しくなるでしょ。

ミスをして大たたきしたり、うまくいかないときはイライラせず気持ちを切り替えることが大事。雲を見たり木を見たり、周りに目を向けることでリラックスできる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年7月9日号より