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子どもに「辞めたい」と言われたら…「辞めるな」or「辞めていいよ」どう答える?

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

「もう、辞めたい」

習い事をしている自分の子どもや教え子からこう言われたとき、あなたが親やコーチだったらどうしますか?

目の前にある嫌なことから逃げているなら引き止めるべきですが、一方で「わかった。じゃあもう辞めよう!」と言う覚悟が必要な場合もあります。

子どもというのは、好奇心が旺盛で次から次へと新しいことに興味を持ちます。遊びはもちろんですが、それは習い事も同じ。でも、同時に冷めるのが早いのも子どもの特徴です。前のめりで始めても、続けるうちに1度や2度は「辞める」と言いだすことがあるでしょう。

そんなときのためにも、あらかじめ「150Y飛ばせるまではがんばろう」といった具合に、到達点を決めておくのがオススメです。「ちょっと嫌なことがあったから」というような理由で辞めてしまうと、何事も継続することができない人間になってしまいます。


しかし、そんな最初の目標を越えて継続できても、「辞めたい」と言うことはあります。親やコーチとしては、「せっかくいいところまで続けたんだし」とか「これまでたくさんお金がかかったのに」なんて思うかもしれません。

でもそんな時こそ「君がいうなら辞めよう!」と、その決断を押す覚悟も必要。そこで無理に引き留めてしまうと、「結局、親や周りの大人が守ってくれる」という考え方が定着し、ひとつのことを一生懸命に追求できる人間にはなれません。自分の言葉に責任を持てないと、たとえ球を打つのが上手くなっても試合で勝てる強さは身につかないし、ひいては、人生で大事な決断をする際、覚悟を決めることができなくなってしまう。

試合でいい結果を出したことがあったりすると、辞める選択はしづらいもの。でも、大事なのは自分の責任で選択ができるようになるということです。そのためには親や教える側も、辞めると言われたときの覚悟を常に持っておくべきなのです。

大事なのは自分の意志で決断できる人間になること(PHOTO/Hiroaki Arihara)

青木翔
あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年3月23日号より

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