スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST／Shinichi Hoshi

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第33講　若者がゴルフをやりだした!

①インスタゴルフ女子は可愛いなあ
②女性が集えば男性も参加するよね

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練習場で飛び交う謎の打球

最近ゴルフの練習に行くと、謎の打球音を耳にすることがあります。バゴ～ン、バギ～ンと鈍い当たりが、すぐ近くでするのです。ふと後ろを振り向くや、ゴルフ初心者とおぼしき男性が右斜め45度の方向にボールを打っているではないですか。やばい、こっちに当たりそうやん。

身の危険を察知し、椅子に腰かけ休むことにしました。けれど実はそれ、30年前の自分の姿だったのではないでしょうか。

というわけでコロナ渦に、若者がゴルフをやりだしたのです。行動制限が続くなか、外で遊べるレジャーで、練習場から始められる手軽さが人気を呼びました。しかも若い女子がやっている噂が広まります。スマホでゴルフ女子を探せば、ミニスカ姿の可愛い女性たちが、大挙現れてきます。

昔、ゲレンデに白いスキーウェアを身にまとった原田知世ちゃんが、コケながら滑っていると思い、野郎はスキー場に殺到しましたよね。

あのデジャブが今、ゴルフ場で起こっているのです。若者はゴルフ場に行けば、美人インスタ女子に出会えると信じて、ゴルフ場に向かうのでした。さてその結果、どうなったでしょうか?

●自分の姿

自分も、30年前は練習場でなぜか真上の天井にボールをぶつけて、周りの人から注意されました。誰でも一度は通る道。若者よ頑張れ、だけど当てないでね

ゴルフにはまだまだ夢がある

ゴルフ女子がメディアで紹介される機会が増えました。その吹き出し部分には「気軽に声をかけてください」と書かれてます。その言葉を真に受けた若者は、ナンパされたいんだと妄想し、ゴルフ場に向かうのでした。

ですが、そんな美女4人組はおらず。トホホです。ただ若い女性はゴルフ場にちらほらおります。でもしっかり同伴のおっさんがガードしていて、つけ入る隙はありません。なんのこっちゃ。その時、初めて世の中の不平等を嘆くのでした。まあ現実はこんなもんですよ。けれど実際ゴルフをやってみると、案外面白いことに気付き、100切りを目指し第2ステージ突入です。

若者世代のゴルフの先生はユーチューブです。気に入った先生のレッスンを繰り返し見て、ゴルフを覚えます。何しろタダですからね。チャンネル登録し、繰り返し見てイメージを植え付けます。そして今度は自分のスウィングチェック。それもスマホで録画して客観的に見ます。ですから、最近練習場でスマホ録画している人が多いです。

それからいろいろ頑張り、人前でも恥ずかしくないスコアが出せるようになりました。いよいよ若者世代のゴルフの面目躍如、スマホを使って新たなコミュニティへの参加となります。

まずはゴルフサークルの加入です。スマホ検索してノリが合いそうなサークルを見つけて参加し、そこで彼女探しをします。しかし、すでに先住メンバーが囲い込みをしていて、なかなか良い思いができません。一部のガッツある若者は、そこで一計を案じます。サークル作りのノウハウを覚えたら、自らサークルを立ち上げ、SNSで大胆にも女子メンバーを募るのでした。自分が幹事ならどう選ぼうが自由です。

さもメンバーがたくさんいるように見せかけ、実は可愛いたったひとりのコを選んでラウンドしましたとさ。

●サークル

ネットで調べると、ゴルフサークルが山ほどあるのに驚きます。若い人は、さくっと入会できるんだろうな。うらやましい

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今月のまとめ

今までゴルフはおやじの天下でした。
多様性の今、やっと男女平等の
レジャーとして認識されるようになりました。
今後、スキーやスノボのように
男女が集うレジャーになれるか、
若者に期待しましょう

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月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より