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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.150 ゴルフは景色を“受け”て“感じ取る”。柔道と同じです

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Masaaki Nishimoto

前回のお話はこちら

中学時代にやっていた柔道のことをまた少し話します。

柔道って対戦者はお互い常にガンガン攻めているものだと思っている人も多いと思いますが、実は、基本的に柔道いうんは「受け」なんです。

柔道の約束稽古で技を掛ける側を「取り」、掛けられる側を「受け」言うて、「受け」は「取り」の動きに合わせて投げられる練習なんですが、この「受け」の練習によって、実際の試合でどうやって崩され投げられるんかを感じ取るわけで、それは技を掛けることにもつながるんです。

この「受け」て「感じ取る」いうんがゴルフでも大事やと思いますね。

朝のスタートホールから、「よぉ~し、今日はバーディ取りまくるぞぉ!」「あいつに絶対負けへんで」と入れ込んで、「取り」一辺倒の“闘牛”みたいなゴルフをする人がおりますが、これは最悪です。

ゴルフのラウンドいうんは、ある意味「サイトシーイング」であって、景色を見渡して情報を受けて、そこから何かを感じ取る、「受け取る」わけです。

パッティングひとつをとってみても、グリーン上を見渡して少し歩けば地面から受けた感触によって感じ取れる。ラインを読むんやなしに感じ取ることでラインは出てくるんですよ。これを「よーしバーディ取ったるぞ!」と闘牛みたいになっとると、コースから受け取る情報も少なくなるいうことです。

では、「よーし、飛ばしたるぞぉ!」と思ってはいけないんかということですが、これは人によって、そして時と場合によってです。

500ヤードのパー5で、しっかり当たれば2回で届きそうだという、飛ばし屋にしか見えない景色だとか、自分の飛距離が240~245ヤードで240ヤードの池越えを前にしてMAXの力を出すために力まざるを得ない状況だとか、そういうときは受けている場合じゃない。そういうときの「飛ばしてやろう!」はマネジメントですから、毎ホール「飛ばしたるでぇ!」という闘牛ゴルフとは違います。

コースからの情報を受けていると、数年後に難解な本を見直した時に「こういうことやったんか」とわかるような発見があるいうのも楽しいもんです。

「ゴルフのラウンドは、『サイトシーイング』でっせ!」

奥田靖己

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2023年10月24日号より