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【名手の名言】宮里優「勝つには順番があるんだよ」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は宮里聖志、優作、藍の3人の子をプロゴルファーに育てあげた父・宮里優の言葉を2つご紹介!


勝つには順番があるんだよ

宮里 優


2010年6月、“ショップライトLPGAクラシック”でシーズン4勝目(米国本土初優勝)を飾り、男女日本人初の世界ランク1位に駆け上がった宮里藍。

一気にブレイクした藍だが、その2年前は悩みに悩んだ。その後「ゴルフをやめたいとさえ思った」というスランプは脱し、飛距離も伸び、スキルもアップして勝つ準備は整っていたという。しかし度々トップ10には入るのだが、勝利にはどうしても届かなかった。

そんな悩みを人には決して見せない藍だが、たまたま帰国して、家族には「なぜだろう?」と愚痴ったという。

そのときの父・優氏の応えが、表題のそれである。

「ベストを尽くして勝てないのなら、それはお前の番ではなかったってこと。その週お前より上手い人が何人かいたんだ。だからその週はお前の番ではなかった。やれることを全部やって、あとは週に1人の順番が来るのを待つだけ……」

このようなことを優氏は言って、諭したそうだ。 そして“週に1人の順番”が一挙に回ってきて、ついに世界ランク1位の座に輝いたという。


パットに素振りは必要ない
と昔から思っていたよ

宮里 優


宮里藍は現役時代、2009年頃からパットする時に素振りをしないで打っていた。実はこれにはきっかけがあったのだという。

故郷沖縄に里帰りして、一家で遊びのラウンドをしていた時、藍はこれまでやっていた素振りを省略して、何気なくパットした。それが藍の感性に響くものがあったという。

それでコーチでもある父の優に「素振りをやめようと思うのだけど……」と問いかけたところ、返ってきた言葉が冒頭のそれである。

ラインを見た“第一感”で、打ち方からボールの転がりまでイメージができているはず。ならば素振りを入れず、イメージが残ったまま打ったほうが成功率も高いはず。素振りのための素振りは意味がなく、パットでの素振りは形骸化していると優は言ったという。

以来、藍はパットの素振りをやめて、世界ランク1位にまで上り詰めたのだった。

■ 宮里優(1946年~)

みやざと・まさる。沖縄県生まれ。県職員、教育委員会勤務のかたわら29歳でゴルフをはじめ、独学でスウィング理論を構築。82年、84年大京オープン出場。40歳を過ぎティーチングプロに転向。子供の聖志、優作、藍をプロゴルファーに育て上げた。現在、名護市の大北練習場を拠点にレッスン活動をおこなっている。著書に『沖縄発 ゴルフ世界流』、DVD『ザ・宮里 ゴルフ世界流』『宮里藍に教えてきたこと。』(ゴルフダイジェスト社刊)などがある。