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【名手の名言】ダイ・リース「速すぎるバックスウィングに一流プレーヤーはいない」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はイギリスの名手としても知られるダイ・リースの言葉をご紹介!

名手のバックスウィングは総じてゆったりとしていて美しい(写真はJ・ニクラス)


速すぎるバックスウィングに
古今東西、一流プレーヤーはいない

ダイ・リース


ダイ・リースに限らず、多くの名手がこれに類する言葉を残している。

たしかに、名だたるショットメーカーのバックスウィングは、非常にゆったりとして見え、余計な力感が微塵も感じられない。

もちろん、バックスウィングのスピードを速くすること自体は悪いことではない。現に、近年はバックスウィングを速くすることがヘッドスピードアップに不可欠という研究データもある。

リースが言いたいのは、おそらく“速く見える”バックスウィングへの警鐘だろう。サッと上げ、切り返しの“間”がなく、いかにも打ち急いでいるように見えるスウィングでは、いい結果は望めない。その人にとっての適正なリズムを超えて「速すぎるバックスウィング」は、ミスの温床になると言っているのだ。

程度の差こそあれ、プロでさえ、ときに自分の思っているよりも速く上げてしまい、結果ミスを招いてしまう。自分に対して言い聞かせる意味も込めて、こうした言葉が多く残されているのかもしれない。

狭いホールのティーショットや、池越えのセカンドなど、プレッシャーのかかる場面ほど、意図的にゆったり上げてみる。これだけで、ナイスショットの確率はグンと上がるはずである。

■ダイ・リース(1913~1983)

英国ウェールズ生まれ。父がクラブプロであったことから、幼い頃からクラブを振って16歳の時にはプロに。165センチほどと小柄であったが、どこからでもピンを狙うプレースタイルで人気があった。全英オープンは2位が3回あったが、優勝はついにならなかった。53年ベン・ホーガン、54年ピーター・トムソン、61年アーノルド・パーマーにそれぞれ敗れている。しかし57年のライダーカップでは、リースがキャプテンで、それまで24年間勝てなかった米国に勝利したことで、英国での英雄になった。