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【名手の名言】ウォルター・ヘーゲン「ベストを尽くして打て。結果がよければ笑い、悪ければ忘れろ」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、1900年代前半に活躍した伝説の名手、ウォルター・へーゲンの言葉を2つご紹介!


ベストを尽くして打て。
結果が良ければ笑い
悪ければ忘れろ

ウォルター・へーゲン


まさにウォルター・ヘーゲンらしい言葉だ。割り切りが早いというか、失敗をあとに引きずらないタイプのプレーヤーだった。上手くいったら万歳。ミスしたら、いつまでもウジウジ考えない。早く忘れて次のショットに思いを切り替えろ、というわけだ。

ハッピー・ゴー・ラッキー。だからプレーに歯切れがあった。マッチプレー向きともいえる。その証拠にストロークプレーの全米オープンでは2回しか勝っていないが、マッチプレーだった全米プロでは4連勝を含む5勝を挙げている。

もっともストロークプレーだった全英オープンでは4勝もしているから、楽天的な思考をする反面、非常にタフなゴルファーであったともいえる。

粋で宵越しの金はもたない伊達男、ヘーゲンは照れ隠しにこういう言葉を遺したのかもしれない。


常に言い訳ばかりを考えるな。
自分の犯した悪いプレーには
言い訳しないのが最上で、
この癖をつけるとやがて自分ばかりが
不運に見舞われているかのように
悲観的になってしまう

ウォルター・へーゲン


ミスショットをすると、「ああ、ダフった!」「開いちゃった!」と自分でミスの解説をしたり、「ディボット跡だったんだよな~」と状況を説明したり……つい言い訳したくなるのがゴルファーの性というもの。

一方、粋なゴルファーとしてゴルフ史にその名をとどめているヘーゲンは、パーティと女性が大好きで、徹夜でパーティ後、朝タキシード姿でコース入り。しかしティオフしたら勝負師の顔に早変わり、優勝してしまう……というプレーヤーだった。冒頭の言葉の通り、言い訳なんて、自分を貶めるだけで、無粋そのものと思っていたのである。

粋と言えば、日本アマを6度とった伝説のアマチュア、中部銀次郎。OBを打ったとしても、つぶやきさえなく、ちゃんとフィニッシュを取るものだから、誰もOBなどとは思わない。で、みんなが打ち終わった後、「わるいね、キャディさん、ボールお願い」と打ち直す。そこで同伴競技者は中部がOBだったことを知るわけだ。

言い訳には「普段はこんなショットを打ったりしないのに……」と周囲にアピールする意図も感じられるが、ゴルフはミスのスポーツ。上手くいかなくて当たり前なのだから、言い訳などする必要もないということだ。

■ウォルター・ヘーゲン(1892~1969年)

ツアーだけで生計を立てた最初の人といえるアメリカの伝説的ゴルファー。真っ白なロールスロイス、白いタキシード姿で現れ、車で着替えしたのは、当時ハウスに入れなかったプロの地位への反抗だったのだろう。ゴルフのスキルは天才的で「ピアニストのタッチと、金庫破りのデリケートさを持った男」と評され一世を風靡した。全英オープン4回、全米オープン2回、全米プロ5回制覇。生涯アマチュアを貫いたボビー・ジョーンズとは違う形で、ゴルフ史に大きくその名を刻んでいる。