ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第113回はボルボ「V90 リチャージT8」の実力をチェック!

PHOTO／Akira Kato　THANKS／森永高滝CC

かつて「ボルボ」＝「武骨で荷室の大きなステーションワゴン」と思われていた時期がありました。例えば「四角いボルボ」として人気の240シリーズは1970年代から20年近く作られ、今も半分クラシックカーのように愛されています。

かたや今のボルボはすっかり電動化先駆ブランドになったと同時にSUV全盛期。新世代デザインを最初に投入したラージなXC90を皮切りに、ミディアムのXC60、コンパクトのXC40と続き、フルバッテリーEVのEX30もSUVに。

とはいえ長年のファンに向け、本格ワゴンも作っており、それが今回ご紹介するV90なのです。

骨格はXC90と共通のSPAプラットフォームでサイズは全長4.9m強、全幅1.9m弱と大柄ながら、XC90同様フロントノーズをゆったり取った北欧流のエレガントデザインを採用。メルセデスやBMWに負けないプレミアムなオーラをまとっています。

さらに侮れないのが電動化で、現行ラインナップにエンジン単独仕様は1台もなく、V90も普及型のB5グレードは48Vマイルドハイブリッド付き2Lターボ搭載。さらに今回借り出したのがボルボの電動化を象徴する「リチャージ」グレードで、2Lターボに加えて高出力モーターと18.8kW/hの大容量バッテリーを搭載。フル充電からモード走行で80kmほどのEV走行も可能なのです。

走り味は伸びやかでプレミアムな佇まい。北欧らしい繊細さと力強さを併せ持ち、コレならゴルフ場ですれ違うドイツ車勢にもひけを取りません。

走り出せば最初の60km近くは完全にバッテリーEVとして走行。静かかつ滑らかでいつものボルボとは別世界。そしてバッテリーが尽きたらいつの間にか力強く上質なハイブリッドパワーが炸裂。これまた低回転から太いトルクを発揮し、高速まで伸びのある加速が味わえます。乗り心地も滑らかで、先進的なオートクルーズ機能でもって長距離ドライブも文句ナシ。

さらにシックなインテリアもボルボならでは。ワビサビを感じさせるシブいウッド素材はほかでなかなか見られません。気になるラゲッジ容量は560Lと大きく、キャディバッグは3本積載可能。

これぞ違いの分かる女性ゴルファーと共にドライブしたくなるボルボV90T8。SUVばかりがクルマじゃないのです!

（左）ラゲッジ容量は560Lと広大で、キャディバッグは2本を平置きにでき、その上に1本載せる合計3本の積載が可能／（右上）インフォテインメントはグーグルのシステムに刷新され、「OKグーグル」でエアコン音声操作までできる／（右下）XC90同様フロントノーズをゆったり取った北欧流のエレガントデザインを採用

ボルボ

V90 リチャージ アルティメイト
T8 AWD プラグインハイブリッド

全長×全幅×全高：4945×1880×1475mm
メーカー希望小売価格：1109万円～

週刊ゴルフダイジェスト2023年9月5日号より