【ゴルフ野性塾】Vol.1781「歩きのゴルフにはキャディさんの助けが要る」
古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。
今日4月27日、
木曜日。
現在時、午前8時5分。
昨夜、眠る前、朝の5時に起きてすぐの執筆に入ろうと考えた。
結論出した後の行動は早い。
ベッドに入ればすぐの眠りが待っていた。
そして、5時少し前に起きた。
ここ迄は、いつもと同じく順調。
今日はここからが違った。
眼醒めが悪かった。
まだ大丈夫だなと思った。
又、眠った。
眼が醒めたのは7時過ぎ。
少し熱めのシャワーを頭から浴びた。
そして、顔を5すすぎして風呂場を出た。
バスタオル2枚、体に巻いて机に座ったのは7時15分。
そして現在時、9時6分。
本稿、熊本ホテルキャッスル415号室にて書いております。
本稿、書き上げた後、フロントに電話してファックス送稿を頼み、1階レストランで朝食。
月に一度の収録「坂田信弘のゴルフ理論」は今日の午後3時からだが、その前に行かねばならぬ処、2カ所在り。
仕事と生活の在り様、コロナ前に戻る事はないが、戻りつつある気配を感じる今朝の寝起きの悪さだった。
熊本城の天守閣の見える部屋が私の宿泊部屋なれど立派な天守閣になりました。
樟の木も震災前より大きくなった様な気はします。
今日も晴れの空。
体調良好です。
歩幅を5センチ広げて歩きを貫け
ゴルフは歩くスポーツと言われていますが、カート全盛になったいまも、日頃の運動不足を補うために、あえてカートに乗らずほとんどを歩くようにしています。1ラウンドで10キロは歩いていると思いますが、歩くときに大切なことはありますか。スウィング中の下半身を安定させるためにも、歩きのラウンドは効果的でしょうか。(愛知県・伊藤康史・57歳・ゴルフ歴30年・HC12)
若き頃と現在の比較は必要と思います。
若き頃に戻るのではなく、現在と比較した上での目標設定は必要であるし、大切とも思う。
若き時の歩きは一歩の幅、現在よりも大きかったと推察する。
一歩の歩幅は老いの証しでもある。
若き頃と現在の歩幅、変らぬのであれば老いてはいない。
ただ、変らぬ歩幅であっても無理は生じていよう。
若き時の一歩に歩幅への意識はなかったと思う。
自然にいつも通りに歩き行く一歩の歩幅であった筈。
しかし、年取った後、若き頃と同じ行動範囲と結果を求め様とすれば意識が要る。
自然は若き頃の力であり、老い行けば自然の力は意識の力への変換は必要だ。
老いれば周りへの気配りは生じる。
トーナメント参戦時、私は自分の歩幅とスピードで歩いていた。
ロープの外の方はロープ内のプレーヤーの歩くスピードについて行けなかった様な気はする。
しかし、優先は己の最善のプレーであり、己の歩く歩幅とスピードを変える気持ちは持てなかった。
故に私の母、女房、長男雅樹、長女寛子が応援に来てくれた鹿児島の霧島GCでも歩調を合せる事はなかった。
沖縄の大京オープンでも幼き雅樹と寛子の歩きに己を合せる事は出来なかった。
常に己が最初だった。生き様も過し様もだ。
今は違う。
周りに合せる生き様と過し様、歩幅とスピードは持つ。
貴兄には若き頃と現在の比較を勧める。
一歩の歩幅だ。
若き頃と較べれば小さくなっていると思う。
ただ、貴兄は私同様の意識を持つ方である。
ならば意識持ちて歩けばいい。
行動、然り。
一歩の歩幅、5センチ広げれば体全体の強化は進むと思う。
たったの5センチである。
しかし、この5センチが苦しい5センチなのです。
10キロ歩く時、歩数は少なくなる。
だが、私の経験で申すが苦しさは増す。
5センチの苦しさだが、この5センチが老いとの戦いである様な気はします。
手順前後の間違いはいけない。
王様よりも飛車を大切にする様じゃ将棋には勝てない。
歩幅広げる時、お尻を意識するか、太腿を意識するか、膝を意識するか、足の爪先を意識するかを考える人もいようが、私はその考え、手順前後だと思う。
まずは一歩の歩幅を広く歩くが手順の一番だと考える。
広く歩けば体はついて来る。
順応も出来る。
しかし、下半身のどこを意識して歩けば一歩の幅、広くなるかと考えれば体の動き、窮屈さを生むであろう。
窮屈さは要らぬ。
己の体・技・心を制圧するのが窮屈さである。
自然態、ありのまま、然り気なく過すが幸せと私は思う。
そりゃ組織の中で過す日々、自然態、ありのまま、然り気なく過すは不可能だ。
ならば70歳過ぎて過せる日々を求めて行けばいい。
70歳過ぎれば気構えは己で出来る。
気構えとは気持ちの在り様なれど、然り気なく過したければ気構えは必要と思う。
人の世に多くを求めれば疲れる。
この事、老いて知りたる事であった。
疲れたくなければ気構え一つ作ればいいのです。
人様の行動に期待しない、人様の考えに全面賛成も全面反対もしない、理想主義よりは現実主義を大切にするの三点あれば疲れはしない。
アメリカは気構えなき時代に入っていると思う。
この2年3年で国と個人の疲れが出て来る様な気はする。
貴兄は一歩の歩幅5センチ広げて歩けばいい。
それが何よりも大切な事だ。
歩かなければ老いは早まる。
運動しなければ老いは早まる。
私はカート大好き人間なれど、歩きのゴルフに反対はしません。
ただ、面倒なだけだ。
歩きのゴルフするにはキャディさんの助けは要る。
キャディさんなしのカート使用ゴルフだと一緒に回る人の理解が要る。
後ろの組の眼線も気になる。
やっぱり面倒だ。
日本は4人で一台のカートを使うゴルフが主流。その中で歩くとなるとやっぱり何やかんやで気を使う事は多い。
その内、貴兄と一緒に回る人、いなくなるのではと怖れる。
だが私は貴兄を応援する。
歩く困難の中で歩き通すは見事、爽やかな事だ。
以上です。
坂田信弘
昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格
週刊ゴルフダイジェスト2023年5月23日号より