かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、静岡カントリー浜岡コースの3番ホール。

【名物ホールFile 26】

静岡C浜岡C　3番ホール
161Y　Par3（小笠コース）

スタート3ホール目でやってくる試練。
ピンポイントでとらえる技術が試される

もともとは2グリーンでスタートした静岡CC浜岡C。それが2019〜20年にリース・ジョーンズにより改造され1グリーン化された。同時に、バンカーなどの見直しも行われ、開場以来大木化した松もかなりの数が伐採された。景観や趣が損なわれるかと思ったが、風通しと日差しの改善につながっただけでなく、遠州灘が眺望できるようにもなった。改造により進化し、次世代に対応できるコースになったのだ。

1グリーン化してからラウンドしたが、攻略ルートが想定しやすくなった。以前からお気に入りの浜岡コース3番ホールは、以前とほぼ同じ景観ながらティーイングエリアから視認すべき方向が明確になり攻めやすく感じた。とはいえ、池越えショットはプレッシャーを受けやすく、グリーン手前から池に向かって急斜面のため、キャリーでグリーンをとらえるしかない。

グリーン右手前には深いバンカーがあり、左には枝振りの良い松があることから、あまり逃げ道はないともいえる。思い切り左に打つという選択肢もあるが、距離的に難しいアプローチショットを強いられることになる。「スタートから3ホール目で大叩きはしたくない……」という思いが逆に力みを生み、ボールはグリーン左手前のラフに。その位置からは打ち上げになりピンは視認できず……大叩きしたことは言うまでもない。苦い経験だったが、印象的なホールというのは、今でも鮮明に覚えている。ここもそのひとつだ。

ホテルの食事を堪能できる

オススメは牛ロースステーキ御膳。肉はオージービーフで150グラム。自家製和風ソースをつけて食べる。コースには本格的なホテルが併設されているだけに食事はどれも美味しい。2200円

静岡カントリー浜岡コース&ホテル

静岡県御前崎市門屋2070-2
18H・6621Y・P72（小笠）、18H・6590Y・P72（高松）
コース設計／和泉一介　改造／リース・ジョーンズ

文／吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動

月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より