「大井とんぼ」名前の由来は?【「オーイ! とんぼ」の舞台ウラ③】
週刊ゴルフダイジェスト連載中の人気コミック「オーイ! とんぼ」担当編集が、制作秘話やこぼれ話など「とんぼ」の裏側を大公開!
※多少のネタバレはご容赦ください。
「とんぼ」がゴルフ漫画として現在の地位を確立した理由のひとつが、主人公「とんぼ」のキャラクターにあることは間違いないだろう。
天真爛漫で純真無垢、自由奔放なこのキャラには、「とんぼ」という名前がピッタリとはまっている。
では、この「とんぼ」という名前はどのようにして決まったのか。
そこには、原作・かわさき健先生のお母さまが深く関わっていた。
「とんぼ」の連載が始まったのは、2014年8月。
通常であれば、半年前には物語の構想が固まり、最低10話分ぐらいのストーリーを決めたうえで連載をスタートするものだろうが、連載開始まで2カ月を切った段階で、まだ主人公の名前すら決まっていないような状況だった。
決まっていたのは、舞台が辺境の島で、主人公が女の子ということぐらい。
前回お話ししたとおり、かわさき先生はとくに名付けにこだわる作家なので、華々しくスタートする週刊連載の、それも主人公の名前とあって、当然のごとく悩みに悩んでいた。
そんなとき、母からかけられたある言葉に、ぴかーんと閃いたのだという。
「まったく、アンタは“とんぼ”なんだから」
ここでいう「とんぼ」は、「極楽とんぼ」のこと。
どちらかというと、お笑い芸人のコンビ名として有名なこの言葉だが、もともとは楽天的でのんきな人を揶揄する言葉として使われてきた。
「おふくろから『とんぼ』という言葉を聞いた瞬間、これだ! って思ったんです」
連載開始を目前に控え、いっこうに筆が進まない息子にかけた「とんぼ」という言葉が、よもや問題解決の特効薬になろうとは……。
気ままに飛び回るトンボのイメージといい、ことばの響きといい、描きたい主人公にピッタリ合致する。
しかもトンボは古くから「勝ち虫」と呼ばれ縁起がいい。
そんなわけで、この瞬間、主人公の名前が決定した。
つまりとんぼの本当の生みの親は、かわさき先生のお母さまだったというわけだ。
さて、この「とんぼ」という名前から、作画の古沢優先生はどんな女の子をイメージしたのか。
連載開始まで2カ月を切り、キャラクターづくりが急ピッチで進んでいく。
次回は、構想段階のとんぼのラフ画を蔵出し公開!
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※当記事は2020年に「note」に掲載したコラムを加筆・修正したものです