【大人ゴルフの歩き方】Vol.26「徹底比較! 厳しいコースvsゆるいコース」
スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi
第26講 徹底比較! 厳しいコースvsゆるいコース
①門番がいるコースはしんどいよな
②たまにはゆったりプレーもいいよね
厳しいコースはストレスがたまる
バブルの頃、会員権価格が5000万円を超えた自称名門コースは、夢よもう一度、とばかりに、名門復活運動をしがちです。つまり周りから名門と認められないので、みずから名門風を吹かすのです。
例えば、うちは名門だからジャケット着用義務にし、入り口に門番を置き、着てこない人間にジャケットを貸し出すことに。毎回、ジャケットを借りて入場することに何の意義があるのか? そのルールは謎だァ~。
さらに名門はスタート前、キャディの朝礼があり、その時「参考までに飛距離を……」と聞くことも。と言いながらOBを打ったら、暫定球を打ってくださいだ、と。めんどくせ~、ボールなかったら前からでええやん。
当然、ありのまま打つ精神も忘れておらず、隣のコースに打ち込んでもセーフ、良かったですねえ。おかげで隣の組のプレー後に打つから、進行が遅れまんねん。そのくせキャディは時間ばかり気にして「5分遅れてます。急ぎましょう」って言うし、ものすごく矛盾してないか~。自称名門は何を目指しているのか? しまいには名義変更停止し特別縁故会員を500万円で募集って、単に相場を釣り上げたかったのかな~。
●自称名門コース
☆こんな感じは要注意よ ●昔は5000万円超えが自慢 ●今は会員権価格300万円程度 ●有名設計家が手がけている ●建物は古い。それを風情という ●メシがマズい。ほかを見ないから ●自称名門と気づいてない
●門番
入り口で服装チェックって、昭和の中学校の週番か~。人権問題だよ、時代錯誤も甚だしいね
●朝礼
このコースは名門でルールに厳しいという説明を受ける。「初めてですか?」はお約束。うるさいよ
●特別縁故会員
会員権相場が上がらない時は、会員権の売買を停止して、新たに価格高めの会員権を募集する。よくやる手口だよね
ゆるいコースはいるだけでもう天国
昔は志が高くて厳しいコースに入っていましたが、実情は中途半端な名門意識と権力闘争が繰り広げられ、平和主義者としてはめんどいな、と。しかも、マウントを取ってくるやつが多く疲れました。
だから今は、規則や制約がゆるいコースが好きです。コースに行く時の服装は、コロナの影響で「プレーする格好で来てください」と書いてあるもの。ジャケットは無用、着替えなくていいのが最高っす。しかも最近は、街歩きができるゴルフシューズがあり、家から履いて行ってもバレません。バッグを宅配便で送れば、手ぶらで行けるなんてサイコーじゃん。
ラウンドは当然セルフで、ツーサムも可能。名門は平日でも組み合わせが多く、ほかのメンバーに対しての気疲れがハンパないです。
さてラウンドはどうしましょう。今日は調子がいまいちだから、ゆるいルールで、やりましょうか。ボールを6インチ動かし、最大スコアを決め、パットは談合オーケーでストレスフリーに。そんなのゴルフじゃないと言う人もいますが、誰にも迷惑をかけてませんよ。
先日、前の組に下手な連中がいて、全員がオーケーの距離をパットしていて、大渋滞を起こしていました。ルール&マナーは大事ですが、しっかり過ぎるのもどうか? カップを見る以前に、周りの状況を見てほしいです。
そんな渋滞時の暇つぶしは、スマホで遊ぶのが一番。セルフプレーなら基本スマホ使い放題です。本音を言えば、ゴルフ場で携帯電話が使えるから自由業の人は助かっているのです。しかも平日来るゲストの多くは自由業の人たち。遊びながら仕事ができて、まさに一石二鳥ですね。さらにすごく下手でド派手な女のコを連れて来ても、ウェルカム。名門コースじゃミニスカート禁止だからって追い返されますよ。最後は料金。ゆるいコースは料金もお値頃、名門は高額を払って気を使いストレスを溜める。マゾにはたまらないんでしょうね。
●マウント
クルマ、ハンディ、所有コース、休みの過ごし方、愛人の有無などで、さりげないマウント取りが始まりますよ
●無用
ジャケット着用コースで、夏場ジャケットは常に携行というコースがありますよね。あれはなんのために?
●談合オーケー
お互い微妙なパットが残った場合、双方談合でオーケーにするルール
●遊びながら仕事
平日ゴルフに来る人の多くは、電話で仕事を済ませられる人たち。スマホは偉大だ。今やインスタ流行りだし、スマホをスコアカード、距離計にしている人もいます。ラウンド中スマホ禁止は無粋というもの。現実に則してないマナーになりつつありますね
●ミニスカート禁止
ミニスカートは悪影響を与えるので禁止します。マジそういうコースあるからね
今月のまとめ
要するに自分を厳しく律したいなら、
それなりのコースに行けば良い。
ゴルフをスポーツ、社交と捉えるか、
レジャー、軽い運動と捉えるか
によるんじゃないですか。
還暦過ぎたら、ゆるくやってもいい。
残りの人生を楽しくだよね。
教える人/木村和久
ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」
月刊ゴルフダイジェスト2023年5月号より