スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST／Shinichi Hoshi

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第25講　俺はまだ本気を出してない!

①金と時間さえあればゴルフは上達する
②オヤジの本気は還暦過ぎだよね～

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ゴルフ上級国民をうらやむ

高級外車でコースに行き、最新ファッション&クラブセットでコンペに出場し、ベスグロを出す人がいますよね。しかもゴルフ終わりで焼き肉&キャバクラだって。そういういけすかない奴に対し、庶民ゴルファーは、俺だって金と時間があれば、シングルになれると負け惜しみを言います。

元英国首相のデビッド・ロイド・ジョージは約100年前、すでにこんなことを言ってます。「ハンデ30の人はゴルフをおろそかにする。ハンデ20の人は家庭をおろそかにする。ハンデ10の人は仕事をおろそかにする。ハンデ5以下の人はすべてをおろそかにする」

いや～名言ですね、私はハンデ22なので、家庭をおろそかにしているんだ。ハンデ5以下はすべてをおろそかにしないと維持できないんだと。けれどしっかり愛人はいるんだよな～。しかも決して内容をSNSに上げない。怒った庶民が襲撃するからです。こういう奴らはゴルフ上級国民と言われ、仕事は、一族の財産管理で生活しているだけですからね。

まあ人のことはいいでしょう。我々、一般庶民が還暦を過ぎ、時間が余って本気になるときが来ました。真の実力を見せてあげましょう。

●財産管理

仕事は家賃収入と株の配当で、しかも管理は任せきり。株の配当が2～4%だと、10億円の株券で3000万円程の収入、家賃収入も億単位。毎年安泰なわけだ

いよいよ本気を出すときが来た

ゴルフ上級国民は1000万円のコースに1000万円のクルマで行きます。一方、庶民は50万円のコースに電車で行きます。いいんですよ、コースレートさえあれば、ゴルフ場には変わりないのですから。

すでに定年となった皆さんは、時間はあるけど、小遣いは以前より減っていることでしょう。けれど、その少ない予算をやりくりして、腕前を上げていくから面白いのです。まずは格安でいいから、どこぞのメンバーになります。競技に出ないことにはハンディも上がりませんから。コース選びで大事なのは会員権価格より、練習環境が充実していることです。つまりゴルフ場は巨大な練習場と理解し、その施設を使い倒しましょう。

いいですか、日頃近所のレンジではできない、本物グリーンでのパター練習、バンカー練習、アプローチ練習が全部タダなんですよ。だからラウンド当日は遅いスタートにして、早朝からドライビングレンジ、パター、バンカー、アプローチと練習しまくります。そしていよいよラウンドですが、ここでも格安会員権の本領発揮です。フェアウェイが狭い、アップダウンがきつい、芝が薄い、すべてがあなたのゴルフ栄養素です。そんなところでゴルフをやったら、めちゃくちゃ上達するに決まっているじゃないですか。しかもマナーが悪く、打ち込みや隣のコースからボールが飛んで来るし、詰め込むから、いつも大渋滞。これぞ人間修行の格好の場、何事にも動じないメンタルは、必ずや競技で役立ちますぞ。

倶楽部対抗競技で常に勝っているのは、メンバーが多くて会員権価格が安い大衆コースの人々です。雑草軍団としては、優雅にゴルフしているお坊っちゃま連中に勝ちたいじゃないですか?

この際、週末は泊まりにしてひとり研修会にしてみるのはいかがです?　メンバーだからプレーフィーは驚くほど安いですよ。これぞ還暦過ぎの、俺の本気です。格安コースで揉まれたなら、名門コースに行って、えらい簡単なのに驚きますからね。

●雑草軍団

大衆コースはメンバー数が多いので層が厚く、しかも名門倶楽部への対抗心がハンパない。ただ大衆コースは、人が多いのでクラブ代表になるのが大変だけど

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今月のまとめ

庶民のオヤジでも励めば
上達するんだよね～
やる気の問題だわ
まずは道具を揃えて、メンバーなって
形から入りましょう

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月刊ゴルフダイジェスト2023年4月号より