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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.64 役に立たないけどできたらスゴイ! “ひざ立ち片手打ち!”

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ちょっと、ちょっと、ボク以外にも練習で一本歯下駄を履いている人がいましたが、見ました? スピードスケートの小平奈緒選手ですよ。一本歯下駄を履いて、スケート独特の前傾姿勢をとると、自然と腰が入るようになるらしい。ほかにもウェイトリフティングの三宅宏実選手もトレーニングに一本歯下駄を取り入れてるという記事も発見した。

運動学的根拠などまったく知らずに、ボクはずっと前から一本歯下駄を履いて練習していたけど、やっぱり重心を安定させる効果があるんだね。これでみなさんも安心して真似できるんじゃない?(笑)

ってことで次におすすめしたい練習は「ひざ立ちの片手打ち」。両ひざをついて練習する方法は以前紹介したと思うけど、それの片手打ちバージョン。ひざ立ち打ちは、腰を切ったり、タメをつくったりすると絶対に当たらない。だから、体の正面で球をとらえる練習になるという理屈である。それを、両手ではなく片手ずつやる意味は? と問われると、うーん、はっきり言って答えが浮かばない。両手よりも、難易度が上がる。ただそれだけ。習得しても、コースでは何の役にもたたないと思うのであしからず。

でもボクはこういうヘンテコな練習が大好きで、なぜか、普通の練習以上に一生懸命やってしまう。といっても、目を吊り上げてやっているわけではない。きっと、うすら笑いを浮かべながらやっている。気持ち悪いよねー(笑)。ま、完全にゴルフ変態ですわな。

この「ひざ立ちの片手打ち」には注意点がある。それは、当たるクラブも限られていることだ。ロフトが寝たクラブはボクでも当たらない。SWなんかは、後ろに飛ぶ危険があるのでやめておこう。話のタネにやってみたいという物好きは、スプーンやドライバーで試してみよう。

コツは、やっばりわきの締まりを持たせることかな。腰を切る、タメをつくるといったアクションは当然、厳禁。右手1本、左手1本で当たるようになったら、さらにドローを打ったり、フェードを打ったりして球筋をアレンジしてみるのも面白いよ。

え、それができて何になるのかって? もう一度言おう。きっと、何にもならない。スコアが劇的によくなるということはないだろう。でも、無駄のない世界なんてつまらなくて耐えられないよね。必要な栄養をとれば、嗜好品はいらない?

いや、お酒飲みたいでしょ。寒さがしのげれば、オシャレはいらない? いや、時にはカッコよく決めたいよね。

ゴルフだって一緒だ。スコアに直結する練習は練習で必要だろう。でも、ときには意味のない練習もやったほうがいい。だって楽しいじゃん。

当たらなくて当たり前だから、笑っていられる。万が一、うまく当たったら、もっと笑える。それだけで練習した価値があるってものだ。

こういう突飛な練習からも思わぬ発見をすることがある。だからこそ、普通の練習だけでなく、変わったことをやっているんだ。この練習ではわきの締まりを感じよう


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年3月20日号より