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【大人ゴルフの歩き方】Vol.23「沖縄リゾートゴルフの醍醐味」

スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi


第23講 沖縄リゾートゴルフの醍醐味

①冬のゴルフは南の島がサイコー!
②いくら叩いても楽しいのはなぜ


スループレーは沖縄から始まった?

本誌で「ゴルフの微笑み。」を連載していた、かざま鋭二先生の訃報を聞き、未だ立ち直れずの日々です。そんな折、メディア合同の思い出ツアーが、沖縄のカヌチャリゾートで開催されたので参加してきました。カヌチャは、ここ数年かざま先生が好んで行っていたリゾートコース、今回はそこをラウンドしつつ、明るくかざま先生を送り出したいと思います。

まずは沖縄ゴルフの特徴を少々説明しましょう。沖縄は通年スループレーですが、その始まりは米軍施設のアワセメドウズGCからと言われています。つまり沖縄のゴルフはアメリカの影響が大きかったんですね。その流れで、どのコースもスタートハウスや売店が充実しており、特にスパムおにぎりは大人気。軽い塩気が実にいいんだわ~。

沖縄は暑く紫外線も強いので、地元の人の多くはインナーを着てラウンドをします。だから半袖短パン姿は観光客だとすぐバレます。

さあ~、まずはドライバーを思い切り振りましょう。コースはリゾート仕様でOBが少なめ、前進4打、赤杭、黄色杭が多く、ボールはやたらなくすけど、絶望的スコアになることはまずありません。

●カヌチャリゾート

周囲をゴルフ場に囲まれた沖縄最大級のリゾートホテル。敷地80万坪、客室数295、プライベートビーチ、チャペル、コンベンションルームなどを備える

アワセメドウズGC

1948年~2010年、井上誠一設計、リー・トレビノが海兵隊員時代にプレーして腕を磨いていた。現在跡地は日本に返還後イオンモールに。代替えコースにTAIYOゴルフクラブがある

スパムおにぎ

スパムは大量に送られて来る迷惑メールではない。SPAMというアメリカの加工ソーセージ。それをのせたおにぎりがサイコー

半袖短パン姿

沖縄に来る観光客は、冬でも半袖短パンで回れて、ありがたく思うんだよね

ゴルフ以外もすべて整う総合リゾート

さあいよいよカヌチャリゾートでラウンド開始です。まずは眺めの良い場所を選んで記念撮影をしましょう。沖縄のゴルフ場はインスタ映えする場所が多いので、ショットを打つよりシャッターを数多く切ることが大事です。スマホは15番目のクラブとして常に肌身離さないように。

ラウンドでは気温が高いので体の可動域が広くなり、ナイスショットを連発します。けれどそのわりにはスコアが大して変わらず。それはなぜか?

つまり、グリーン周りの粘っこい芝に手こずるからです。寄せでちゃっくりすることもしばしば、そしてリゾートゆえ気持ちが大きくなり、プレーが雑になりがちです。気づくといつもと変わらぬスコアで終わります。リゾートゴルフのスコアイマイチ説は、あながち嘘じゃないかも。

けれど叩いても頭に血が上らないのがリゾートの良いところ。すでにラウンド中から、頭の中はアフターゴルフのことでいっぱいなハズです。

スルーラウンドは、プレー後にお昼を食べても午後2時過ぎには自由になります。まずはプールサイドのデッキチェアに寝そべり、再流行のシティポップ、大瀧詠一をラジカセでかけながらロングバケーションごっこ。妄想たんまりでヨダレを垂らしながらの午睡は実に心地よいもの。ナウいと思われて、若い女性が寄ってくるかもよ。

目が覚めればいよいよ大宴会の始まりです。食事は沖縄料理から中華、イタリアン、ステーキまでめじろ押し。さらにバーや居酒屋も完備なので、カヌチャリゾート内で全て事が足ります。さすが総合リゾートやね。

最近できたエリアは、なんとゴルフのシミュレーションとバーチャルゲームが楽しめるエリア、本当の19番ホールがあったとは、まさかや~。

夜遅くまで騒いでも翌日、ゆっくり起きてベランダのジャグジーに浸かれば至福よね~。今はリモートワーク用のワーケーション施設もあるので、皆さんも、長期滞在を会社に申請してみるのもいいんじゃないですか?

シャッター

特に女性は沖縄でゴルフしていることを、知り合いにアピールすることが目的ですから。まずは撮影よね

粘っこい芝

昔から毛深い女と粘っこい芝には気をつけろと言われてますよね

若い女性

かざま先生もプールサイドの景色をことのほか好んでいましたね

19番ホール

全てリゾート内で事足りるから、夜の街に繰り出すことをしなくてもいい。飲んだらすぐ寝られるリゾートは最高よね

●ワーケーション施設

まさに飴とムチですがな。仕事終わればゴルフができると思うと、仕事に身が入らない

沖縄リゾートの魅力と競争力

気軽に行ける沖縄のリゾートですが、世界的規模から見ると、そのポジションはどうでしょうか。実は最近、ハワイをしのぐ世界的リゾートとして脚光を浴びているのです。

コロナ前の沖縄の年間入島者数は1000万人超えで、ハワイをわずかに上回りました。ゴルフ場の数では沖縄本島で25コース、オアフ島が15コースほどとゴルフ天国としてもハワイ超え。最近は外国の高級ラグジュアリーホテルが大挙進出し、まさにワールドクラスのリゾートになったのです。

その中でカヌチャリゾートのような、国産リゾートの安心感と居心地の良さとリーズナブル感は、たまらなく魅力的です。円安状態で海外に行けば、1杯2000円もするラーメン価格にビビリますからね。国内の沖縄で海外気分をいいとこ取りするのは、マジで賢い選択ですよ。

年間入島者数

沖縄の2019年の入島者数は1016万人、うち3割が外国人。2021年はコロナで300万人台へ減少。今が狙い目か。それにしても年間1000万人の入島者って凄い。那覇空港の1日の発着回数は約450回だもんなあ

いいとこ取り

沖縄はパスポートいらず、フライト3時間ほどでハワイの半分以下の飛行時間。物価は国内だから知れている。治安よし、メシ美味い、日本語オーケー、キャバクラもあるでよ~


今月のまとめ

リゾートで英気を養い、
残りの人生を
全力で駆け抜けましょう
「また来るために仕事するか〜!」


カヌチャリゾートの歩き方
「リゾートで大人ゴルフ。いいものですよ〜」

コースの魅力は海が見渡せること。ちょっとした高台にあり、景色に見とれているとボールは風に流される。それが沖縄のゴルフよね

名物13番のパー3は、沖縄本島をデザインしている。細長く左右は池、とてもスリリング。以前はグリーンからよくこぼれたが改修をして受けグリーンに。2回ともナイスオンでご満悦

カヌチャの茶屋の充実ぶりは目を見張る。中でもおでんは絶品。大根はダシが染みて本当においしい。スパムおにぎりも忘れずに買おう

冬はエリア内全体がイルミネーションに包まれるスターダストファンタジアが素晴らしい。特にチャペルとプールサイドは圧巻です。部屋に戻ればベランダのジャグジーに浸かってひと休み。ゴルフ以外の設備も充実しているので家族連れも大満足。ぜひ一度お試しあれ!

カヌチャリゾート
カヌチャベイホテル&ヴィラズ/カヌチャゴルフコース

〒905-2263沖縄県名護市字安部156-2 TEL 0980-55-8880

木村和久

ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」

月刊ゴルフダイジェスト2023年2月号より