2019年のルール大改正でやさしくなったとはいえ、まだまだ複雑なゴルフルール。すべてを頭に入れておくのは大変だが、ゴルフを楽しむうえで、最低限のルールは覚えておきたい。今回は、「球の拾い上げとリプレース」に関するルールをご紹介!

サイズや形状に細かい規定はないが……

グリーン上では球を拾い上げ、ボールを拭くことができる。誰かがパットをするときに、他の球がグリーン上にあると邪魔になるし、打った球がグリーン上の他の球に当たると、当てた側が2罰打となってしまうので、グリーンに球が乗ったらいったん球を拾い上げるのが基本だ。

球を拾い上げる際には、球を置き直すときのために、球の位置をマークしておく必要がある。そこで使用するのが「ボールマーカー」だ。

基本的には、ゴルフショップでボールマーカーとして売られているものや、ゴルフ場のスタート室前などに置かれているプラスチック製のマーカーを使用するのが一般的だが、代わりにコインを使用したり、ティーを刺してマークする人もいる。ある日のラウンドでは、ボールマーカーを忘れた同伴者が、ペットボトルのキャップをマーカーの代わりに使っていたこともあった。

ゴルフの規則では、用具に関してさまざまなルールがあり、大きさや形状など、細かく規定されているが、ボールマーカーに関してはとくに規定はないのか。不思議に思った人もいるのでは?

ゴルフ規則の「定義」によると、ボールマーカーは「拾い上げる球の箇所をマークするために使用する人工物（例えば、ティー、コイン、ボールマーカーとして作られた物や別の小さい用具）」と明記されているが、具体的なサイズや形状については言及されていない。基本的にはプレーの妨げにならなければOKで、人工物であることが条件だ。「小さい用具」ともあるので、いくら規定がないからといって非常識に大きいものを使うのは好ましくない。

ただ、「球の箇所をマークする」ことが目的なので、ボールマーカーを紛失してしまった場合などは、他のもので代用することも可能で、最悪クラブを使ってマークすることも認められている（規則14.1a）。

マークする位置に関しては、「球のすぐ後ろ」が一般的だが、球のすぐ近くであれば、横でも前でも問題はない。要は置き直す（リプレースする）ときに、確実に元の位置に戻すことができれば良いわけだ。

上記のルール以外にも、「球の拾い上げとリプレース」に関するルールの疑問を『2021-2022 GOLFDIGEST ゴルフルール早わかり集』から抜粋してご紹介しよう!

Q. プレーヤー以外が球を拾い上げてもいい?

A. プレーヤーが認めた人なら拾い上げられる（規則14.1）

プレーヤーか、プレーヤーの認めた人が拾い上げることができる。また、パッティンググリーン上の球に限っては、プレーヤーのキャディはプレーヤーの許可がなくても球をマークして拾い上げることができる。

Q. 球を拾い上げる場合必ず球をマークすべき?

A. 自分の球か確認する場合やグリーン上ではマークが必要（規則14.1）

球の位置をマークしないと1罰打が付くのは、元の位置にリプレースをしなければならない規則に基づいて拾い上げる場合だけ。例えば、止まっている球を自分の球かどうか確認のために拾い上げる場合や、パッティンググリーン上の球を拾い上げる場合などはマークが必須。一方、救済を受けてドロップする場合は、元の位置をマークしなくても罰はない。

Q. 拾い上げた球をリプレースできる人は?

A. プレーヤーが拾った球はプレーヤーがリプレース（規則14.2）

プレーヤーか、その球を拾い上げた人がリプレースする。例えば、プレーヤーが拾い上げた球はそのプレーヤーだけがリプレースできる。規則に基づいてキャディが拾い上げた球は、そのキャディかその球の持ち主であるプレーヤーだけがリプレースすることができる。

Q. 間違った人がリプレースした場合は?

A. ストローク前に訂正しないと1罰打（規則14.2）

間違った人がリプレースした場合、ストロークする前であれば罰なしに訂正することができる。訂正せずにプレーした場合は1罰打。

Q. リプレースする場所が確定できないときは?

A. 元の場所を推定してリプレース（規則14.2）

例えば、カラスに球を持って行かれたことが分かっているのに、球が止まっていた元の箇所がわからない場合、元の箇所を推定してリプレースする。

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