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「VG3」「ゼクシオプレミアム」…日本独自のマーケット「プレミアムボール」の存在価値とは?<前編>

ボールの開発は年々進化を遂げ、“飛んで止まる”高性能なツアーボールがフラッグシップモデルとして各社からラインナップされているが、一方で、日本だけで販売されている飛距離重視の「プレミアムボール」というカテゴリーも存在する。その特徴と、存在価値に迫った。

解説向井伸吾さん

ツアープロへのフィッティングを担当するタイトリストのゴルフボールフィッティングスペシャリスト。アマチュア向けのボールフィッティングも担当し、ボールに対する知見は深い

日本人は飛距離軟らかさを求めている

世界のツアーで使用率ナンバー1の『プロV1』『プロV1x』を販売するタイトリストのなかにも日本独自のボールがある。それが『VG3』だ。世界中で圧倒的な支持を得ているボールを持ちながら、なぜ日本独自のボールを作っているのか?

「そもそもタイトリストは“すべてのゴルファーに最高のパフォーマンスを提供する”という理念を持ってゴルフクラブやボールの開発を進めています。なかでもボールは、ワンボールルールがあるため、ティーショットからホールアウトまで、唯一替えが利かない。ボールこそが個々のパフォーマンスの根幹をなしていると考えています。

では、なぜ日本独自のボールを開発、販売しているかというと、日本人特有の傾向に合わせているからです。我々がターゲットとしている熱心なゴルファーを分析すると、海外では何にも増して“より良いスコアでラウンドできる”ボール、すなわち『プロV1』に代表されるトータルパフォーマンスに優れたボールを求める傾向があります。それに比べ日本では、もちろんスコアも求めますが、とにかく“飛んで”さらに”打感が軟らかい”ボールを求めるゴルファーが多いんです。これは、市場全体の15〜20%ほどと他国に比べて大きく、“すべてのゴルファーに”という理念を持つタイトリストとしては見逃せないのです。

我々は『VG3』を“プレミアムディスタンスボール”と呼んでいますが、これは“打感の軟らかさ”と“飛び”という2つの相反する要望を高次元で成立させているという自負から来ています。最近では海外でも軟らかい打感のボールを求めるゴルファーが増えているので、もしかしたらこの先、国内モデルである『VG3』が海外でも販売されることもあるかもしれません」(向井さん)

タイトリスト
「VG3」

ウッドもアイアンも飛距離が出てすべてのショットで軟らかい

●カラー/レインボーパール、イエローパール、マットグリーン
●構造/3ピース
●コア/新開発高速デュアルコア
●カバー/ハイスピードカバー
●ディンプル数/312

タイトリスト
「プロV1」

優れた飛距離、安定した弾道。グリーン周りでのスピンコントロール

●カラー/ホワイト、イエロー
●構造/3ピース
●コア/ポリブタジエンコア
●ケース層/アイオノメリック・ケース
●カバー/ウレタン・エラストマー・カバー
●ディンプル数/388

『VG3』はどのクラブでも低スピン

VG3 プロV1
 ロングゲームのスピン量少ないやや少ない
 アイアンショットのスピン量 少ない やや多い
 ショートゲームのスピン量 少ない やや多い
 打感非常にソフトソフト
「『VG3』のスピン量は『プロV1』と比べ、1Wだと100~200回転少ないくらいですが、7Iだと1500回転、ウェッジだと3000回転ほどの差があります」(向井さん)

>>後編へつづく

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号より