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【ゴルファーのための“スマホ首”対策】<後編>イメージはタイガー! 首をスッと伸ばして構えよう

現代人の約8割が発症しているといわれる“スマホ首”。そのままスウィングを続けると、首や肩などを痛める原因になるという。では、ケガなくゴルフを長く続けるために、どのような点を意識してスウィングすればよいのか。引き続き話を聞いていこう。

PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/東名古屋CC

武市悦宏プロ(左)

1976年生まれ。独自に開発した飛ばし理論“ツイスト打法”で2013年のレッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。常人を超えた思考力で常にレッスンに新しい風を送り続けている

山内達司さん(右)

1955年生まれ。名古屋市内で開業医として多くのオペなども行い、外科のみならず整形外科にも通ずる。東建多度CCでクラチャンにも輝いたことのある凄腕ゴルファーでもある

>>スマホ首がスウィングにもたらす悪影響とは?

首への負担を抑えるには?

GD 首への負担を小さくするためにはどうすればいいですか?

武市 まずは、アドレスを変えれば首の負担を軽減できると思います。そのために、ボクが提案したいのは、亀のように首を伸ばして構えること。これで、かなり変化が出ると思います。

山内 私もそう思います。肩の力も抜けるので、動きがスムーズになり、ケガの発症率は低くなると思います。


アドレスのPoint 1
イメージはタイガー! 首を長く伸ばして構える

首をすぼめず、長く伸ばす感覚で構えることで、自然と両肩が下がったアドレスになる。「イメージ的にはタイガー・ウッズのように首がスッと伸びたように見えるといいですね」(武市)

アドレスのPoint 2
下目使いでボールを見る

ボールを下目使いで上から見て構えることで、頭が下がらず首を長く使うことができ、スウィング中の首への負担が軽減しやすい

アドレスのPoint 3
右ひじ頭が地面を指すように構える

スマホ首だと、右ひじが張り外側へ向きやすい傾向があるため、右手を背中側へ回してクラブを下から握ることで肩が下がり、首への負担が少ないアドレスが作れる

左手は上から、右手は下から

左手はクロールの動きで上から握り、右手は背泳ぎで下から握るのがオススメだと武市プロ

“背骨”を中心に回転しよう

背骨を中心に回転する意識を持つと、首がすぼらまず肩もスムーズに回転しやすくなるという。「背骨は背中側にあることを理解して振れば、首への負担は減りやすくなります」(武市プロ・山内さん)

GD では、スウィングはどこを気をつけたら、首への負担は軽減できるのでしょうか。

武市 縮こまらずスムーズに回転するためには、背骨軸を意識して振るといいと思います。

山内 それについて付け加えるのであれば、背骨がどこにあるか意識して振ってほしいです。

GD 背骨の場所ですか?

山内 そうです。背骨は体の真ん中ではなく、背中側にあります。背中側の軸を中心に回転するから、左右への体重移動が自然に発生します。

武市 確かにそうですね! 体の真ん中に軸があると考えると、窮屈な動きになりますよね。僕は自然と背中側を中心に回転していたので気になりませんでしたが、とても重要なポイントですね。

山内 肩の動きもスムーズになるので、頚椎への負担が少しは軽減できると思います。

打ち方のPoint 1
テークバックはボールを投げる意識で右肩を後方に引く

テークバックのイメージとして、武市プロが推奨するのがボールを投げる動き。右肩と右腕を引いた形がトップの形と同じで、この右肩を後方に引くという動きが、無理なくスムーズにスウィングできる動きにつながってくるという

打ち方のPoint 2
トップで左肩をあごに付けない

アドレスで首を長くして、背骨を意識して体を回転できれば、トップで左肩とあごが自然と離れる。逆に左肩とあごが付くようだと、首への負担が多くなっているシグナルだという

打ち方のPoint 3
フォローで目線を斜めに

フォローまでボールのあった位置を見続けるのではなく、自然とボールの行方を追うようにすることで首への負担を減らす。このとき、両目は背骨と直角に交わるよう斜めの状態をキープしたまま顔を上げるようにしよう

インパクト後もボールのあった位置を見続けようとすると、首を痛めやすい(左)/目線が水平になるぐらい顔を上げてしまうと上体が起き上がりミスの原因に

【武市流“スマホ首”矯正ドリル】
正面を向いたまま軽く打つ

ボールを見ずに顔を正面に向けたまま打ってみる。ボールへの意識がなくなり、打ちにいかないため、首をすぼめず長くしたまま肩をスムーズに回転する感覚がつかめる

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月28日号より