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【ガレスの教え】#2 マネジメントの基本は「ゼロライン」と「インポジション」

ナショナルチームのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズが最も重視しているのが“事前準備”。キーワードは「ゼロライン」と「インポジション」というが、いったいどんな概念なのか?

TEXT/Mika Kawano PHOTO/Tadashi Anezaki

ダイヤモンドカップの練習日、練習ラウンドを終えた中島啓太と綿密な打ち合わせをするガレス・ジョーンズ

ガレス・ジョーンズ

71年英国生まれ。豪州でプロとして活躍し、その後コーチに転向。14年に軽井沢で開催された世界アマで惨敗し、危機感を感じたJGAに招聘され、15年に就任。畑岡奈紗、金谷拓実らをアマ時代から教え、教え子たちが世界に羽ばたいている

●CONTENTS●
#1 ガレスが変えた“練習”に対する考え方
#2 マネジメントの基本は“ゼロライン”
#3 アプローチこそ“オンプレーン”
#4 スウィングを制御するのは腕ではなく体

「ゼロライン」から逆算して考える

グリーンから逆算してゴルフを組み立てるマネジメントが必要なのは、我々もわかる。だが具体的にどうすれば良いのか? ナショナルチームに課されたミッションは、まずグリーンの形状を知ることだ。ガレス・ジョーンズによると

「コース攻略の基本はいかに最後に簡単なパットを残すか、です。練習ではグリーンの“ゼロライン”を見極め、そこに運ぶための戦略を立てます。ゼロラインとは、上りの真っすぐなラインのことで、そこにつけることができればやさしいパットを残すことができる。そこが目標になると打つべき球も明確になります」


ガレスは続ける。「ゼロラインを狙えるところに球があればインポジション、狙えない場合はアウトポジション。ミスしたら、無理せず確実にインポジションに戻す。ラフにつかまったのにバンカー越えのリスクを冒して、無理に狙っては1打以上の代償を払うことになる。そんな確率の低いヒーローショットは、必要ありません」

グリーンの形状を完全に把握してこそ逆算のマネジメントが成り立つ。ゆえに練習ラウンドでは詳細なメモを作成し実戦に備える。大変なわけだ。

ゲームを組み立てる最大のコツは「ゼロライン」

「ゼロライン」は上りの真っすぐなライン。最後のパットをここから打つよう逆算してルートを決める。練習ラウンドでは、ボールを転がしたり、足裏で感じたりして、傾斜を測る

イチかバチかの「ヒーローショット」はいらない

たとえばバンカー越えや、深いラフでグリーンがスタイミーの場合などは、イチかバチかで狙わずにまずインポジションに運ぶ。万に一つの「ヒーローショットは必要ありません!」。写真は杉浦悠太選手に説明するガレス

>>#3 アプローチこそ“オンプレーン”
>>#4 スウィングを制御するのは腕ではなく体

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より