【注目女子インタビュー】菅沼菜々「ロングパットでも入るイメージが湧く! 課題はパーオン率アップです」
2022年も開幕から話題が尽きない女子ゴルフ界のなかで今季好調の選手2人に注目。好調を維持する理由、優勝へのカギなど、本人を直撃した。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa THANKS/ダイキンオーキッドレディス、富士フイルム・スタジオアリス、KKT杯バンテリンレディス
どんなに長いパットでも3パットはしない
――稲見萌寧と同じ世代の菅沼菜々は、賞金ランク47位で初シードを獲得した注目の選手。2018年のプロテスト合格から着々と実績を積み重ねてきた。そして今季はメルセデス・ランキング8位(フジサンケイレディス終了時)と好調な滑り出しを見せている。その要因はどこにあるのか? 自身が目指すツアー初優勝へのシナリオとは?
GD Tポイント×エネオス10位T、アクサレディス5位T、ヤマハレディース3位T、フジサンケイレディス10位Tという成績ですが、好調の理由は何ですか。
菅沼 得意のパットが決まってくれているからだと思います。パットには自信がありますから。
GD 平均パット数は7位(パーオンホール)と9位(1ラウンドあたり)ですね。
菅沼 傾斜の読みが上手いんだと思います。小さい頃から読む練習をよくやっていました。選手によっては足裏で感じる人もいますが、私は視覚です。目で傾斜がわかるんです。調子がいいと打つラインが浮かび上がりますから。
GD 10m以上のロングパットにも自信があるみたいですね。
菅沼 どんなに長いパットでも3パットはしません。それだけパットの感覚がいいんだと思います。朝のパッティング練習でその日の調子がわかるのですが、タッチが合っているときは、ロングパットでも入るイメージが膨らみます。
どんな長いパットでも3パットはしません
「フィーリングがいいときは、ロングパットでも狙っていきます」と語る菅沼はパットの名手でもある。その背景には傾斜を読む力が大きく影響しているのだ
GD グリーンに乗せれば、強さを発揮できるわけですね。
菅沼 そうなんです……。ただ、今季はパーオン率が悪いんです(65.79%/44位)。だから、得意のパットを最大限に生かし切れていません。とりあえずグリーンに乗せれば、スコアはもっと伸ばせると思っていますし、初優勝も見えてくるのかなと。
GD なるほど。グリーンを狙うショットが課題なのですね。具体的な戦略はありますか。
菅沼 どの試合も最終日のピン位置は厳しいです。8I以上はグリーンセンター狙いにして、9I以下はピンをデッドに狙っていくようにしています。グリーンに届く距離になると、どうしてもピンを狙いがちで、それがミスショットになることも少なくありません。プロキャディの梅原敦さんにマネジメントや攻め方を教えてもらいながら、チャンスを逃さないゴルフを意識しています。
8I以上はピンを狙わずグリーンセンターに
グリーン周りでの難しいアプローチが多かったと振り返る菅沼は、優勝へのカギがパーオン率にあると語る。番手によってセンター狙いか、ピンを狙うか、を決める戦略に
GD 今季は有観客試合が続いています。ギャラリーが入ると、緊張しませんか。
菅沼 全然緊張しません。むしろギャラリーがたくさんいたほうが『頑張ろう!』ってやる気が出ます。朝イチのティーショットだけ、ちょっと緊張しますけど……。
GD 開幕前のインタビューでは今季の目標はメルセデスランク15位以内に入ることでしたね。
菅沼 今季からランキングが賞金額からポイント制(メルセデス・ランキング)に変わりました。私のイメージでは15位以内であれば、1勝は必要だと思っています。ただ、私の場合、全部の試合に出られるわけではないので、試合スケジュールは戦略的に考えています。
GD 以前、告白された広場恐怖症により、飛行機に乗る試合には出られないということですか。
菅沼 そうです。とくにポイントが大きい4日間競技(メジャーも含む)は外せませんが、予選通過よりもトップ10入りを狙うことがとても重要です。たとえば3日間競技で40位だと5ポイントしかもらえませんが、10位に入れば41ポイントもらえます。この差は大きいです。だからこそ、出た試合は、すべてトップ10入りを目指します。個人的にはメルセデスランクに変わってよかったと思っています。賞金ランクでは試合ごとに賞金額がバラバラですから。
GD 女子ツアーは残り30試合です。今後の意気込みを。
菅沼 オフは毎日フィジカルトレーニングに取り組みました。70kgのウェイトでスクワットができるようになりましたから、体力も上がったと思います。昨季はツアー後半でスタミナ切れもあったので、今季は最終戦までしっかり走り切りたいです。
ギャラリーの声援も力に
「お客さんが多いほどやる気が出ます!」
「私はコロナ禍前の2019年シーズンも経験しているので、今季の試合はそれに戻った感じです。まだギャラリー数は少ないけど、お客さんがいると楽しいです」(菅沼)
週刊ゴルフダイジェスト2022年5月24日号より
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