まもなく開幕! 2022マスターズを制するのは? 識者4人が大予想
いよいよ開幕する2022年のマスターズ。史上4人目の連覇に挑む松山英樹をはじめ、日本からは金谷拓実、アマの中島啓太が出場する。過去最長の7510ヤードとなったオーガスタを制するのはいったい誰か。優勝候補を4人の識者が予想した。
PHOTO/Taku Miyamoto、Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos、KJR
「マキロイのグランドスラムが見てみたい」(佐藤信人)
佐藤信人
高校卒業後、米国に渡りネバタ州立大ゴルフ部で活躍。帰国後プロテスト合格。02年日本ツアー選手権などメジャー3勝を含む9勝。JGTO広報理事を務めながら、ゴルフ中継でもおなじみ
毎年のようにグランドスラムが期待されつつ達成できていないローリー・マキロイ。「マスターズは優勝すれば毎年戻ってこられる大会。個人的には彼が引退した後も、パー3コンテストの輪のなかにいるべき選手だと思っています。それにグランドスラムを達成したときの、ゴルフ界の熱気を自分の目で見て体験してみたい」。
今年に入ってから欧州ツアー・ドバイデザートクラシックで3位に入るなど、マスターズに向けて調子を上げてきているので、今年こそという気持ちも強いはずだ
世界ランク1位に上り詰めたシェフラーにも注目
「絶好調のシェフラーですが、昨年までバッバ・ワトソンのキャディを務めたテッド・スコットと契約。彼の実力と勢いにテッドの経験が加われば……」(佐藤)。ノルウェーのビクトール・ホブラン、チリのホアキン・ニーマンにも注目しているという
「昨年、松山英樹と争ったシャウフェレに期待」(内藤雄士)
内藤雄士
日大ゴルフ部在学中に米国にゴルフ留学をして最新ゴルフ理論を学ぶ。丸山茂樹のコーチとして海外も経験。現在も多くの選手をサポートしながら、テレビ番組などでも活躍
昨年のマスターズを最終日最終組で松山英樹と優勝を争い、東京五輪では金メダルに輝いたシャウフェレ。「19年にも2位タイに入るなど、オーガスタとの相性もいい選手。昨年は相当勝ちたかったでしょうし、そのあとの東京五輪では松山選手に競り勝って見事リベンジして金メダル。そろそろ来そうだなと期待しています」。本人も「次のチャンスには必ずタイトルに手が届くように準備したい」と語っているとおり、優勝への思いも人一倍強い
力のデシャンボー vs 技のスピース(進藤大典)
進藤大典
東北福祉大では宮里優作や岩田寛と同期。宮里、谷原秀人の専属キャディとして活躍したあと、13年から松山英樹の専属キャディとして国内外を転戦。現在は各種メディアでも活躍
20年大会で「パー5はすべて2オン可能。自分にとってパー68のイメージ」とデシャンボーは豪語していたが、終わってみれば34位タイ、昨年も46位タイと飛距離だけではないのがオーガスタ。「スピースは復調してきているので、一時期のような強さが見られるのではないかと期待しています。でも、技なんか関係なく、今年こそデシャンボーが力でねじ伏せてしまうかも(笑)」
「年間王者、パトリック・カントレー」(杉澤伸章)
杉澤伸章
横田真一の専属キャディとしてキャリアをスタート。02年から丸山茂樹の専属キャディとして渡米。現在は若手育成のための講演会や解説などで活躍。独特な視点には定評がある
昨年の年間王者、パトリック・カントレー。「もし松山選手が優勝を逃したとして、誰にグリーンジャケットを着せるか。これも見どころのひとつ。松山選手がローアマを獲得した翌年、松山選手を抑えてローアマに輝いたのがカントレー。この時の再現になったら……、なんて想像するとワクワクしてきます」。今年に入ってから7試合中4度のトップ10入りと好調を維持しているが、12年の再現なるか⁉
「勝てばグランドスラムにリーチ」コリン・モリカワにも注目
昨年の全英OPでコリンのマネジメント力の高さを実感した杉澤。「彼はマスターズに勝てばグランドスラムに王手。今年中に達成しちゃうかもしれません」
日本人3選手の直前情報
日本の期待を背負う3人のサムライたちの最新情報をお届け。日本人選手によるグリーンジャケットとローアマのダブル獲得なるか⁉
松山英樹
首痛の影響が気になる
首痛のためアーノルド・パーマー招待から欠場していた松山が先週復帰。練習日は順調な回復をうかがわせたが、プロアマは一転して首痛再発のため欠場。マスターズに向けて大事をとっての休養ということのようだが……
金谷拓実
WGCマッチプレーで決勝進出
1月から海外を転戦しながら調整を進めている金谷。WGCデルテクノロジーズ・マッチプレーではベスト16に進出するなど好調。先週のバレロテキサスオープンではナショナルチームのガレス・ジョーンズ氏が合流して最終調整
中島啓太
松山以来のローアマ獲得なるか
ガレス・ジョーンズ氏やトレーナーとリモートでやり取りしながら、日本で調整を進め、初めてのオーガスタに向かった。さらに、アマチュアながらテーラーメイドと総合契約締結を発表。最強のサポートを受けてマスターズに挑む
2022マスターズ出場選手一覧
※世界ランキング、および出場選手は2022年3月28日時点、年齢はマスターズ開幕時
※チャートはPGAツアーと欧州ツアーの20-21シーズンのスタッツ(平均飛距離、SGアプローチ・ザ・グリーン、SGアラウンド・ザ・グリーン、SGパッティング、SGトータル)をもとに作成
2022マスターズ出場資格
(1)マスターズ歴代優勝者 (2)全米オープン優勝者(2017~2021)(3)全英オープン優勝者(2017~2021)(4)全米プロ選手権優勝者(2017~2021)(5)ザ・プレーヤーズ選手権優勝者(2021~2022)(6)東京2020オリンピック金メダリスト (7)2021全米アマ選手権優勝者および2位 (8)2021全英アマ選手権優勝者 (9)2021アジアパシフィックアマチュア選手権優勝者 (10)2021ラテンアメリカアマチュア選手権優勝者 (11)2021全米ミッドアマ優勝者 (12)2021マスターズ12位タイまでの選手 (13)2021全米オープン4位タイまでの選手 (14)2021全英オープン4位タイまでの選手 (15)2021全米プロ選手権4位タイまでの選手 (16)2021マスターズから2022マスターズ前までのPGAツアー(フェデックスポイント500以上)優勝者 (17)2021ツアー選手権出場有資格者 (18)2021年末時点での世界ランク50位までの選手 (19)2022マスターズ前週時点での世界ランク50位までの選手
週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より
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