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【ヘッドデータは嘘つかない】強いフェードで攻めたい上級者へ! テーラーメイド「ステルス プラス」ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はテーラーメイドの『ステルス プラス』ドライバーを取り上げる。

スライド式ウェートを搭載

先週紹介した『ステルス』の低スピンモデル『ステルス プラス』を計測していく。クラブ重量は312.0gとやや重く、クラブ長さは45.38インチとやや長く、スウィングウェートはD2.8とやや大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが295万g・㎠と大きくなっている。この数値だと、ドライバーのヘッドスピードが47~48㎧くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえるだろう。

ヘッドはスタンダードの『ステルス』同様、特徴的な赤色のフェースが目に入る。また全体の輪郭形状も同じで、時計盤の1~2時方向の張り出しが大きく、かつフェースのトウ先に逃げ感があり、フェード系弾道のイメージが出しやすい。しかし、米国モデルらしい強いオープンフェースの『ステルス』とは違い、『ステルス プラス』はスクエアフェース設計という差異がある。またソール面にはスライド式ウェートがあり、弾道調整が可能なところが大きな特徴だろう。

Point1 クラブ全体慣性モーメントが295万g・㎠と大きい
Point2 ヘッド重量が202.4gと重く初速が出やすい
Point3 ライ角は56.0度とフラット

強いフェード系弾道が打ちやすい

実際に試打したところ、まずアドレスではスクエアフェースなので、ターゲットに構えやすい。そして、『ステルス』同様、『SIM』や『SIM2』シリーズよりもFP値(フェースプログレッション)が大きくなったので、アドレスでフェース面が見えやすく、球が上がりやすそうなイメージが出ている。

試打クラブは10.5度、シャフトはメーカー純正の『テンセイ SILVER TM50」(フレックスS)仕様。シャフトはやや軟らかめだが適度なしっかり感もあり、このシャフトならヘッドスピードが43~45㎧くらいのゴルファーまでカバーできそうだ。ソール面のスライド式ウェートがN(ニュートラル)ポジションでも『ステルス』と同様に、フェース中央よりもかなりトウ側にスイートスポットがあり、フェース中央で球をヒットした場合に、ギア効果で球はフェード回転がかかりやすくなっている。

また、スライド式ウェートの位置そのものがフェース寄りにあるので、重心深度がやや浅くなり、3つある『ステルス』シリーズのなかでもっとも浅くなっている。その結果、フェース面のスイートスポットもやや低くなり、3モデルのなかではもっとも低スピンで、強いフェード系弾道が打ちやすいクラブだ。半面、左右方向のヘッド慣性モーメントはやや小さいので、決してやさしいヘッドとはいえない。とはいえ、ヘッド重量が重いのでボール初速を出しやすく、うまくミートできればこの『ステルス プラス』がもっとも飛距離が出せそうだし、インパクト音も引き締まっているので、上級者好みのモデルといえる。

フェース寄りのスライド式ウェートにより、3モデルでもっとも重心深度が浅くなっている。その結果、ミスにはシビアだが、中弾道の強い球が打ちやすい

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

テーラーメイド

ステルス プラス ドライバー

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月29日号より

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