【ゴルフ初物語】Vol.80 昔はアマがプロより格上だった!? 1926年初開催の“オープン”競技でプロの地位が確立
日本で最初のプロトーナメントは1926年7月に行われた「全日本プロフェッショナルトーナメント」(現在の日本プロ)でプロ6名が参加。その4カ月後にアマも参加する“オープン競技”が初めて行われた。
プロの地位がようやく確立
1926年7月に全日本プロフェッショナルトーナメントが行われて間もなく、関西ゴルフユニオン(関西ゴルフ連盟)が創設された。茨木、舞子、鳴尾、六甲、甲南に、開場したばかりの宝塚を加えた6倶楽部が連盟を組織し、年中行事として関西オープン、関西アマ、そしてアマチュアの関東関西対抗競技を行うことを決議。そして11月に第1回の関西オープンが茨木CCで行われた。日本初の「オープン」と名の付く競技であり、同年の日本アマチャンピオンである赤星四郎をはじめ、川崎肇、大谷光明ら当時のトップアマ25名とプロ7名が参加して行われた。
結果は福井覚治が優勝。中上数一、越道政吉が続き、プロがトップ3を独占。4位タイに宮本留吉とアマの伊地知虎彦が入った。期待された赤星四郎、川崎肇、大谷光明、白石多士良、中上川勇五郎らアマチュア勢は1ラウンド目で首位に20打差以上つけられ失格となっていた。
この頃までの日本ゴルフ界はアマチュアのほうが上手く、外国のゴルフ事情や理論にも精通し、アマがプロを指導していた。だがこの大会でプロのほうが上だと証明される。「彼らはゴルフが本業なんだから……」というアマの言い訳が、このときから始まったともいわれているが、この関西オープンによってプロの地位が確立された。翌年、日本ゴルフ協会もいよいよジャパンオープンをスタート。当時、「日本一」と称された程ヶ谷CCで5月に第1回日本オープンが開催された。
一旦はツアー外競技となった関西オープンだが、第74回大会の石川遼の優勝をひとつのきっかけに、翌2009年ツアー競技として復活。今年は4月14日に兵庫のよみうりCCで開幕する。
茨木CCで行われた第1回の関西オープンを制した福井覚治(写真右)と宮本留吉(写真左)
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月29日号より
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