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ハロルド・バーナーIIIがサウジで劇的V。敗れたバッバの反応は意外にも…

アジアンツアーの「PIFサウジインターナショナル」で、アフリカ系アメリカ人のハロルド・バーナーⅢが劇的優勝を飾った。土壇場で逆転されたバッバ・ワトソンも彼の勝利を自分のことのように喜んだ。

最終日、単独首位で出ながら14番をダブルボギー、16番をボギーとしたバーナー。この時点で、この日「64」でトップに躍り出たワトソンに、2打のリードを許していた。17番でバーディを取るも、もうひとつスコアを縮めなければプレーオフに残れない。18番パー5の3打目、バーナーは30Yほどのアプローチをパターでヒット。キャディは「おいおい、その先は池だぜ」とグリーン左の池ポチャを覚悟したが、ボールはスルスルと転がりカップに消えた。

「その瞬間、大声で叫びながら飛び跳ね、スキップして、ジャンプしたよ。本当にクレイジーになった」とバーナー。

その直後、勝利を逃したワトソンはバーナーのもとに駆け寄り称賛。「彼は私が一番応援したい選手で、親愛なる友人。私がプレッシャーをかけて、それを跳ね返して逆転したんだからすごい。悔しい? いや、拍手喝采を送りたい」

実は2人、普段から練習ラウンドをともにし、サウジでは昼も夜も一緒に食事をするほどの仲。親友の勝利をワトソンが心から祝福したのだ。

2歳のとき父からクラブをプレゼントされたことがバーナーのゴルフ人生のはじまり。ジュニア時代からマイノリティのハンディを感じさせない活躍で名を馳せたが、12年のプロ入り後、主戦場のPGAツアーでは勝てそうで勝てない日が続いた。それでも前を向き、昨季の「RBCヘリテージ」では自己ベストの2位タイをマークしている。

174センチと小柄なバーナーは、この勝利をバネに、さらなる飛躍を誓う。

公私ともに仲の良い2人(写真は2019年フェニックスオープン。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月1日号より

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