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前季まで「賞金ゼロ」からの大逆転シード! 29歳の苦労人“ケンシロウ”を直撃

男子で初シードを獲得したのは16人。その中の1人が、昨季フジサンケイクラシックで一躍話題となった29歳の苦労人、池上憲士郎だ。

PHOTO/Takanori Miki、Hiroyuki Okazawa ILLUST/Koichi Tanaka THANKS/ BC PROJECT

池上憲士郎(29歳)
1992年生まれ、岡山県出身。2014年にプロ転向。賞金ランク56位で見事シードを獲得した。名前はマンガ「北斗の拳」の主人公ケンシロウに由来する

今年初シードを獲得した男子プロは史上2番目に多い16人。男子も世代交代が進むが、その中には29歳で初シードを獲得した苦労人がいる。フジサンケイクラシックで2位タイに入り、一気にシード圏内に入った池上憲士郎だ。

「フジサンケイはラッキーでした。あ、これシードいけるかも。みたいな、そんな感じでした」と、本人はひょうひょうと話す。あまり考えすぎないことが飛躍の1年につながったと言う。

「集中すると周りが見えなくなって、ひとつのミスに対して自分を許すことができなかったんです。自滅してチャンスを逃していました。その考えを改めて、もう少し気楽にやろうと思ったんです。すると、気負わなくなって、いい意味で力が抜けたのか、結果もいいほうに傾きました。周りの初シード選手に比べると年齢は上ですが、自分のペースで階段を上っていきたいですね。今年は優勝目指して頑張ります!」

ウェイティングから2位! フジサンケイで起きた奇跡

【ケンシロウDATA】
●2020-21シーズンまで獲得賞金は“0”

14年にプロ転向したが、昨シーズン開幕までレギュラーツアーでの獲得賞金は0
●約半分の出場試合数でシードを獲得
30試合中、16試合と限られた試合数で見事賞金ランク56位、シードを獲得した
●同級生は堀川未来夢や今平周吾
通算5勝・賞金王2回の今平周吾や通算2勝の堀川未来夢、出水田大二郎らが同級生

【躍進の理由1】
アームロックにしてストロークが安定

「ダンロップ福島オープンからアームロックのスタイルにして、パットが安定しました。そこから少しずつ、自分のプレーに自信がついてきました」

【躍進の理由2】
「ま、いっか」精神でできるようになった

「以前は1打のミスに一喜一憂していたのですが、ミスを受け入れられるようになり、気持ちの面で余裕が出てきたのも大きいと思います」

【これからの課題】
「体をひと回り大きくしてスウィングを強くしたい」

「トレーニングをすることで、スウィング中の筋肉の動かし方がわかるようになってきました。全体的にパワーアップさせて、それをもっとスウィングに生かしていきたいですね」

平均年齢26歳
初シード獲得者一覧

月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より

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