Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • ギア
  • 【ギア選びのウソホント】Vol.65「大慣性モーメントのアイアンヘッド」というコンセプトに拍手

【ギア選びのウソホント】Vol.65「大慣性モーメントのアイアンヘッド」というコンセプトに拍手

「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!

前回のお話はこちら

「慣性モーメント」とは物体が回転するときに必要なエネルギーを指し、数値が大きくなればなるほど回転しにくいといえます。そして、慣性モーメントを大きくする方法のひとつに、物体そのものを大きくすることが挙げられます。今回、試打したヤマハ「RMX VD40 アイアン」もまさにそれで、約四半世紀、クラブを試打してきましたが、ネック部にある突起物を含めたヘッド長の長さはいままでにないほどでした。フェアウェイのいいライからなら問題はありませんが、ラフに入ったときにこのヘッド長では抜けにやや難があるといえるでしょう。

約15年前になりますが、あるメーカーがプロモデルとして大慣性モーメントヘッドを世に出しました。ですが、ヘッド形状がおにぎりのような三角形だったためか、思ったほど人気は出ず、シリーズ化されませんでした。しかし、そのコンセプトを受け継ぐモデルが2年ほど前に登場し、人気モデルとなりました。いまは上級者もやさしさを求める時代です。「大慣性モーメントのアイアンヘッド」というコンセプトはさすがです。今後、時代の流れ、素材の進化、技術の向上などによりさらなる機能美を兼ね備えたクラブに期待したいですね。

構えたときはネック部分の突起が見えないように工夫されている

堀越良和

ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」

週刊ゴルフダイジェスト2021年12月7日号より