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【笑顔のレシピ】Vol.94 ゴルフはミスがつきもの。自分を“許す”ことも時に大事です

TEXT/SHOTANOW

メジャーチャンプ・渋野日向子を育てた青木翔が“コーチング”のこだわりを語る連載「笑顔のレシピ」。ゴルフだけでなく、仕事や育児などでも役立つヒントが満載!

前回のお話はこちら

自ら考えて実行する、そしてまた課題を自分で見つける、という成長サイクルに乗っかってもらうのが、コーチの重要な役割の一つです。

でもなかには、こちらがあまりリードしなくても、それができる子もいます。そういった選手は一度火がつけば徹底的に自分を追い込むことができます。

僕がしぶこのコーチを務めていた時期に、半年でウェッジを7本交換するほど、練習をしたことがありました。アプローチが課題だとわかると、それを徹底的に磨き込む。このストイックさが彼女の強みであったと思います。

このストイックさというのは、勉強でもスポーツでもたいていの場合、良いニュアンスで使われますが、実は負の側面もあります。

たとえば、自分に厳しいとラウンド中のミスショットに対して、とてもナーバスになってしまいがちです。

ゴルフにはミスが付きもの。そのため気持ちの切り替えが重要なのですが、それができずに次のショットで挽回しようと無理をしてしまう。このようにストイックゆえ、陥ってしまう悪循環もあるのです。

今、コーチングをしている三ヶ島かなも、ラウンド中のミスで自分を追い込んでしまうことがあります。そんな彼女が得意としているのが、我慢のゴルフ。悪天候などによって、スコアを落とさないことが求められる状況で、とても高い集中力を保ち非常にいいプレーをします。

聞けば「コンディションが悪いと、ミスしてもしょうがないと思えるから」とのこと。

でも、練習だって天候がよくたって、ミスは出ます。だから僕は、バッドコンディションで自分を許せるなら、それ以外の状況でも許せるよね? というアドバイスを送っています。

考え方や性格というのは、これまでの人生で身についたものなので簡単には変わりません。だからこそ、本人が気がつかない部分は繰り返し丁寧にフォローするようにしています。

コースでは時に自分を許してあげましょう(PHOTO/Hiroaki Arihara)

青木翔

あおきしょう。1983年生まれ。福岡県出身。渋野日向子をメジャーチャンプに導き、三ヶ島かななどツアープロや、全国トップレベルのジュニアゴルファーの育成に努めている

週刊ゴルフダイジェスト2021年9月21日号より

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