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【ゴルフ野性塾】Vol.122「好きが第1の才能。戦い好きが 第2の才能」

古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。

梅雨が明けた。梅雨であっても

梅雨明けても、部屋から出ぬ日が続く。
突然の声。
「キャーッ!! 雨が降ってる!!」
現在時7月15日、木曜日。午後2時47分。
夕立には早過ぎると思うが、あっとゆう間の空の暗さと真上から落て来る強き雨だった。
女房殿、走った。
叫びながら走った。
「やめてよ!! 洗濯物が濡れてしまうじゃないのッ!!」
間に合わなかった様だ。
部屋に戻った女房の髪、しっかりと濡れていた。
「ハイ。洗濯のやり直しです。私、疲れました」
東の空、山が消えている。
北から南へと向った雨だろう。
さあ、夏の始まりだ。
頑張って行きましょう。
体調良好です。

1年の辛抱で静かなブームが始まる。 

最近、通っている練習場がとても混んでいて、ビギナーが集まってワイワイ楽しそうに練習しています。そこまではいいのですが、先日、折れたドライバーが打席に飛んできました。幸い、誰にも当たりませんでしたが、コースでも空振りを連発するようなゴルファーが増えた気がします。塾長はこういう状況をどう見ていますか。(千葉県・後藤宏樹・48歳・ゴルフ歴16年・平均スコア86)

よろしくない。
妥協と寛大さは必要と思うが、コース内での空振りとエチケット、マナーの欠落は勘弁して貰いたい。
過去に眼を向けた時、口煩さと細かい指摘、そして要求がゴルフ離れを招いた原因との判断も聞くが、練習場での球叩き経験もなしにコースに出るなんてのは暴挙である。
空振りは当然であり、何よりも周りへの配慮もなく、球だけを追っかけてのラウンドは危険千万、迷惑至極。
その暴挙を許したんでは毎日、救急車と警察車輌のサイレンをコース内で聞く事になると思う。
初心の方の持ち球はドスライス。若い人が打つ松林を突っ切ってのドスライス球は強き初速を持つ。
その球は危ない球だ。
障害球、殺人球となる事もあるだろう。
互いの身を守る為のエチケットとマナーである。
その認識持たずに、1番ティーでグリップとクラブヘッドのビニールを剥ぎ取って5度10度の素振りの後、球を打つのは暴挙である。

誰にでも初心者の時はある。
ただ、球は叩かず、地面ばかりを叩く初心者と一応のスウィング型覚えてティーに立つ初心者とでは危険の度合いが異なる。
今、ゴルフやる若き人が増えたとの声を聞く。
1台の車で3人4人と集うて練習場に向い、ゴルフバッグ1つで打席に立つ3人組4人組。
共有のクラブで球叩く人達、ハンディ36の方であっても指導出来る人、1人いればいいと思うが、指導する人いない練習場の打席。
貴兄はその現場にいた人と思う。
そして、困るのがコースラウンドである。
ラウンドに向う。
乗用カートに乗せるのはゴルフバッグ1つのみ。
プレーする人は3人か4人。
3人か4人のクラブ共有のプレー開始である。

コロナは金の使い途を変えた。
暇も出来た。
そして、若き人達の練習場通い、コース通いが始まった。
いずれコロナは終息する。
この時、金の使い途はコロナ以前に戻る。
己の車を持たぬ人は車を持つ人と共に練習場通い、コース通いしていたが、車を持つ人がゴルフから離れれば持たぬ人もゴルフから離れざるを得なくなるであろう。
となれば若き人のゴルフブームが続くか否かは車次第となって行く。
ゴルフやる気、長く続ける気あれば己のクラブを持ちたいと願うだろうが、友への一時の付き合い気分でゴルフ始めたとなれば4人で1セット使いの共有のクラブあれば充分と考えるのも当然とは思う。
今の若き人たちの金の使い途、コロナ以前に戻れば消え行くゴルフブームである。
そして、4人に1人か8人に1人がゴルフ続けてくれればと期待する。
その4人に1人、8人に1人はエチケット、マナーの存在と必要性を知ると思う。

いつでも取れるスタート時間、服装等への干渉なきプレーのコースは混んでいる。
今は我が世の春だ。そして、風向きはコロナ終息で変る。
名門コース、メンバーコース、キャディさん在籍するコースはコロナ前も今もコロナ後も変らぬ営業状況続くと思う。
私は願う。
初心の方がショートスウィングで球を打ってくれる事を。
目一杯の力、目一杯の振りで球を打てば空振りか、地面叩きばかりの練習になって行く。
そして、無理なる捻り生じて怪我すると思う。
子供への指導、何を怖れたかと申せば怪我だった。
そして、ゴルフへの興味失くす事だった。

好きとゆう気持ちは第1の才能、戦い好きは第2の才能、負けず嫌いは第3の才能。やる気、負けん気、へこたれん気、持ち続けるは第4の才能、そして素直さと頑固さ合せ持つは第5の才能と思うが、5つの才能の内、4つ持てばプロテストには通る。
そしてツアー参戦出来る。
3つ持てばテストには通るがツアー参戦は難しい様な気はする。
2つではテスト合格は無理だ。
5つ持った者は年間5勝のプロになると思う。
第5の才能、素直さだけ持つ者は多かった。
頑固さだけ持つ者も多くいた。
だが両方併せ持つ者は少なかった。
教えを素直に信じ、その教えを頑固に守り通せば第5の才能は生き続ける。
どの才能が一番大切かと申せば第5の才能と思う。
信じ通す気持ちである。
疑えば素直さは消える。
素直さがなければ頑固さは無用のものだ。
人は咲かせる事の出来る花を持つ。
信じる気持ちで咲く素直の花と頑固の花である。
私は子供達の努力を信じた。
塾出身者95人がプロになった。塾生以外で私の指導を受けた者15人がプロになった。

今、孫弟子が大手前大学に在籍している。
熊本塾1期生の吉﨑千晃の教え子である。
孫弟子が大手前に来た時は驚いた。
「吉﨑プロの指導を受けてきました」と言った。
吉﨑千晃のスウィングを想い出した。
「あの吉﨑の教え子か。振ってみろ」
振った。
吉﨑と同じリズムだった。ただ、フィニッシュの位置は低かった。
「吉﨑がプロになれたのだからお前もなれる。何てったって吉﨑と同じスウィングリズム持ってるのだからな。そして吉﨑は自衛官と結婚し、子供2人を産んだ。だからお前もプロになってツアー参戦した後、自衛官と結婚しろ」
「ハイ、自衛官の人と結婚します」

吉﨑千晃似の素直な子である。そして吉﨑よりも美人である。
出身は熊本、出身校は熊本国府高校。今、大手前大学2回生。
目指すは2023年のプロテストである。
いずれは練習場とコースの喧騒、静まると思います。
その時からでしょう、静かなゴルフブーム始まるのは。
あと1年の辛抱と思う。御自愛あれ。

坂田信弘

昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格

週刊ゴルフダイジェスト2021年8月3日号より