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自信をもって打てる3W持ってますか? 「ティーショット用スプーン」おすすめ8モデル

PHOTO/Shinji Osawa THANKS/クレアゴルフフィールド

長尺の1Wと、ロフト11.5度のブラッシーの二刀流で今年の全米プロを制覇したP・ミケルソン。我々も、ブラッシーとは言わないまでも、ティーショットで使用することを前提に3Wを選ぶとすると、どんなモデルがいいのだろうか。“試打キング”堀越良和プロが指南。

試打&解説/堀越良和

小誌試打企画でお馴染みの“キング・オブ・試打”。ドライバーからパターまで、あらゆるクラブを試打するスペシャリスト。小誌で「ギア選びのウソホント」を連載中

球が上がらない人、スライスに
悩む人は3Wを試す価値アリ

今年の全米プロで優勝したミケルソンのバッグのなかには、47.9インチという超長尺のドライバーに加えて、小ぶりなヘッドでロフトが11.5度という2Wが入っていた。距離を稼ぎたいときは長尺を、確実にフェアウェイをキープするときは2Wを使用する二刀流で、見事に史上最年長でメジャーを制覇した。ならば我々アマチュアもティーショット用のスプーンを用意して二刀流にすればスコアが縮まるのではと期待してしまうが、「そうとも限らないですよ」と、警鐘を鳴らすのは、小誌ギア特集でおなじみの堀越良和プロだ。

「最近のドライバーはヘッドが大きくなり、やさしくなっているのでドライバーより3Wのほうがやさしいとは限らないんです。14本のクラブのなかで、唯一ティーショット専用のクラブとして開発されているドライバーは素材や製造技術の進歩によってヘッドが大型化されました。もちろん他のクラブも大型化されていますが、芝の上から打つことを考慮すると無制限には大きくできないので、ドライバーだけ極端に大きくなり、今では3Wの2~3倍のヘッド体積になった。これだけ大きさが違うとミスに対する許容度が大きく変わるので、3Wのほうがやさしいとは単純には言えないのです」

ではティーショット用の3Wを入れるのはやめたほうがいいのか。

「そんなことはありません。確かにミスに対する許容度ということではヘッドが大型化したドライバーに軍配が上がりますが、3Wにはそれ以外にドライバーよりもやさしいポイントがあります。まずはロフトがあるのでボールが上がりやすいということ。ドライバーだとボールが上がりづらい人は、3Wなら安定してキャリーが出せるようになるでしょう。さらにボールのつかまりがいいのでスライスも防げる。これは大きなメリットだと思います。さらに操作性もよく、ラクに振り切れる。まずはこうした3Wのメリットを理解することが、ミケルソンのような二刀流を取り入れるためには必要なことだと思います」

【3Wのメリット1】
1Wよりロフトがあるぶん球が上がりやすい

3Wのロフトは15度前後なのでドライバーよりも4~5度ロフトが多い。当然、ボールは上がりやすくなる。1Wだと球が上がらないという人は3Wで飛距離が伸びる可能性もあるのだ

【3Wのメリット2】
重心距離が短いから球をつかまえやすい

最近の1Wのヘッド体積は460ccが主流。3Wは200cc以下なのでヘッドはかなり小さく、1Wに比べ重心距離が短いので球のつかまりがよくなる。1Wがスライスしやすい人は、ティーショットで3Wを試す価値大だ

【3Wのメリット3】
重心深度が浅いから操作性がいい

ヘッドが小さくなれば当然、重心深度も浅くなる。それだけフェースをコントロールしやすいので、操作性がよくなる。さらにクラブが短いのでラクに振り切れるようになるのもメリットだ

おすすめ3W
8モデルを試打!

ティーショットでドライバーを握ると、どうしても「飛ばしたい」という欲が出るのが人情だが、ティーショット用の3Wに持ち替えることで、そうした欲を切り捨て戦略を持ってコースを攻められるのも二刀流の大きなメリットという堀越プロに、ボールが上がりやすくつかまりもいいやさしめの3W、8モデルを試打してもらい、そのティーショット性能を評価してもらった。

「全モデルを試打して感じたのは、海外の4ブランドの3Wは全体のバランスがいいと思いました。優等生という感じで欠点が少ない。ティーショット専用としても武器になりつつ、芝の上からでも十分やさしいクラブです」と評価。

では国内の4モデルはどうだろうか。

「こちらは個性的なモデルが多い。たとえば飛距離性能であれば、ヤマハのインプレスUD+2ですね。これは芝の上から打つよりも、ティーアップして打ったほうが本領を発揮しそうなクラブで驚くほど飛んでいました。やさしさという点ではプロギアのLSですね。それはスペックを見ると明らかですが、言ってみれば“飛ぶ5W”という感じでやさしく打てる。二刀流にする目的は、飛距離を稼ぐドライバーと確実にフェアウェイをキープするための3Wという住み分けを図ることだと考えれば、やさしく打てるというのは、それだけで大きな魅力ですよね」

今回試打したモデルのなかにはチタンヘッドのモデルが3つ、カーボンクラウンのモデルが3つあったが、

「これまではチタンヘッドやカーボンクラウンというのはドライバーだけに採用されることが多かった。理由は価格が高くなるからですが、その効果は大きいので、ぜひ一度試打して、その効果を感じてみることをお勧めします」

海外4ブランドは優等生タイプ

テーラーメイド
SIM2 MAX-D

●長さ/43.25インチ ●ロフト/16度 ●ヘッド体積/195cc ●ライ角/57度 ●価格/4万4000円(TENSEI BLUE TM50)

全体のバランスがよく“簡単”に打てる
「ソールの座りがよく構えやすい。初速が速く感じ、つかまりもいい。全体のバランスがよく、誰が打っても“簡単”に打てると感じさせるクラブ」(堀越プロ・以下同)

キャロウェイ
EPIC MAX

●長さ/43インチ ●ロフト/15度 ●ヘッド体積/179cc ●ライ角/57度 ●価格/4万6200円(Diamana 40 for Callaway)

ミスヒットに強く方向性もいい
「クラウン部の頂点の高さが低めで、構えるとフラットに感じる。ミスヒットに対する許容度が高く、ボールが曲がりにくい。シャフトも軽めでやさしさを感じる」

タイトリスト
TSi1

●長さ/43インチ ●ロフト/15度 ●ヘッド体積/非公式 ●ライ角/56.5度 ●価格/4万9500円(TSP013 45)

パワーがない人でもラクに振り切れる
「今回試打クラブのなかでは圧倒的に軽く振りやすい。これだけ軽いと振り切りがよくなる。やさしいクラブなのにかぶって見えない“逃げ顔”なのが構えやすい」

ピン
G425 MAX


●長さ/43インチ ●ロフト/14.5度 ●ヘッド体積/176cc ●ライ角/57.5度 ●価格/4万7300円(ALTA J CB SLATE)

重心距離は長めだが強い弾道で飛ぶ
「構えたときにヘッドのトウ側にボリュームがあり、フェースが長め。重心距離も長く感じるので左へのミスは出にくい。初速は速く、強い弾道で飛距離も出る」

国内4モデルは個性派ぞろい

ミズノ
ST200X チタン

●長さ/43.25インチ ●ロフト/15度 ●ヘッド体積/195cc ●ライ角/59.5度 ●価格/5万2800円(20 MFUSION F)

つかまりがよく風に強い飛ぶ弾道
「ライ角が59.5度と大きく、FP値も小さめなのでつかまりがいい。ボールも上がりやすくラクに打てる。ヘッドも大きく高弾道・低スピンの弾道で飛距離も出る」

ヤマハ
インプレス UD+2

●長さ/43.5インチ ●ロフト/14.5度 ●ヘッド体積/189cc ●ライ角/58度 ●価格/5万7200円(Air Speeder for Yamaha M421f)

ロフトが立っていて長いのでとにかく飛ぶ
「クラブ長も長く、ロフトも立っているので、飛ぶ。打ち出しも高くスピンは少なめ。フェースが厚めなのもいい。芝の上よりティーアップしたほうが性能が発揮できる」

プロギア
LS

●長さ/42.5インチ ●ロフト/16.5度 ●ヘッド体積/186cc ●ライ角/59度 ●価格/5万2800円(Speeder EVOLUTION for PRGR)

3Wよりは、“飛ぶ5W”という印象
「クラブ長も短く、ロフトも多め、ライ角も大きい、とやさしさがつまったクラブ。3Wというよりは“飛ぶ5W”というくらいやさしさを感じる」

ホンマ
T//WORLD TR21 TiFW

●長さ/43インチ ●ロフト/14度 ●ヘッド体積/185cc ●ライ角/57度 ●価格/3万2780円(VIZARD TR20-50)

チタンで作ったよさを実感できる
「まず構えたときの顔がいい。ボールが上がりやすく、飛距離も出ていた。チタンで作ったよさを実感できるクラブ。価格が下げられたことでお買い得感もある」

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月27日号より