ピンチな時でも寄る金次郎流アプローチ。バンカー越えは「等速スウィング」、ディボット跡は「トウ打ち」がいい<後編>
週刊ゴルフダイジェスト
最年少プロ転向に最年少ツアーVなど、次々と記録を更新し続ける現役高校生プロの加藤金次郎。 快進撃を支えているのがツアーでも屈指と言われるアプローチテクニックだ! 若さや勢いだけではない確固たる技術に裏付けされたそのテクニックの数々を本誌で初公開してくれた。後編では厄介な状況からでも寄る確率がアップする打ち方の数々を教えてもらおう。
PHOTO/ARAKISHIN THANKS/品野台カントリークラブ


解説/加藤金次郎
かとうきんじろう。2010年生まれ。愛知県出身。昨年15歳139日でプロ転向し、今季はACNツアー『i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘』で最年少Vを達成。日々成長し続けるいま最も注目すべき若手プロ
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しっかり前に飛ばすことを意識
GD では状況別に打ち方の違いを教えて下さい。まずはバンカー越えの状況ではどのようなことを意識していますか。
加藤 ボールのライにもよりますが、ライが良い場合は基本的にはロフトが大きくなるように構えて、ストレートに振っていきます。この状況で最も避けたいのがバンカーに入れること。前にしっかり飛ばすことが必要になります。
GD 前に飛ばすことに加えて高さも必要になりますよね。
加藤 もちろんです。ただ、フェースを開いてカットに振るような打ち方だとすっぽ抜けて飛ばない可能性があります。最も避けたいミスは何かを考えて、そうなりにくい打ち方を選択することが大事なことだと考えています。なのでフェースは開かずに、ロフトが増えるようにハンドレイトに構えます。あとはターゲットに対してヘッドをストレートに動かすだけ。このとき、フォローでフェース面が自分を向くように振るとヘッドをストレートに動かしやすくなります。
GD フェース面が開いたり閉じたりしないようにするということですね。
加藤 はい。できるだけフェース面に長くボールを乗せる感覚です。特に注意すべきは振るスピードで、バンカー越えのような状況だと気持ち的に焦って速く振りがちなので、慌てずに等速で振ることが大切です。
GD 焦ると早打ちになりがちですよね。ちなみに打点に関してはどこに当てるイメージですか?
加藤 ロフトは寝かせて構えるので少し上めに当たっているかもしれませんが、基本的には芯でいいと思います。

バンカー越え 1
手先で振らず体の回転を主役に

振るスピード感に関しては人それぞれ違いがあるので大事にするべきは等速で振ること。高く上げたい、バンカーに入れたくないと思う気持ちが強くなると焦って早打ちになりがちなので注意すること。
バンカー越え 2
シャフトを右に傾けて
ロフトを大きくして構える

スクエアに構えた状態からシャフトを自分から見て右に傾ける。これによってロフトが大きくなり、高さが出せる構えに。手元の位置は右足の前辺りに来るハンドレイトになる。
バンカー越え 3
フェース面に長くボールを乗せる

バンカー越えで最も避けたいミスは、すっぽ抜けてボールが飛ばずにバンカーに落ちること。フェース面に長くボールを乗せるためにはフェースの開閉を抑えよう。
構えと軌道で
出球を中和させる
GD 次は意外とよくあるディボット跡からの対処法を教えてください。
加藤 一番避けたいのはチャックリで飛ばないミスです。なので、まずはボールにきっちりコンタクトさせることを重視しています。そのためにトウ側で構えてトウ側で打ちます。
GD ライの悪さの影響を受けにくくするということですね。
加藤 そうです。コンタクトしやすいようにボール位置も右足の前かそれよりも外側に置くこともあります。この時に注意しているのがヘッド軌道で、そのまま振るとフェース面がかぶった状態なので左に飛んでしまいます。それを避けるためにインサイドアウトに振ることで打ち出し方向を整えています。
GD 構え方と軌道で打ち出し方向を中和させている感じですね。
加藤 はい。フェースがかぶると球が強くなり過ぎるので、それも解消することができます。
GD 次に逆目のラフの場合の対処法を教えてください。
加藤 ボールが浮いているかどうかにもよりますが、対処法としては2つあります。1つ目はボールのかなり手前からヘッドを入れる打ち方です。ラフの抵抗を考慮してあえて大きく振る方法です。ラフでフェース面がかぶりやすいのでフェース面は開いて構えます。当たるところはトウ上めですね。もう1つは、ボールに直接コンタクトする打ち方でヘッドを上から下に動かすので、これもフェースの上めに当てるイメージで振っています。その分、飛ばなくなるので大きめに振る必要はあります。ディボット跡も逆目もインパクトで緩めないこと。抵抗に負けるとミスに繋がるのでしっかり振ることは意識しています。
ディボット跡
ソールの接地面積を小さくする

トウ側にボールをセットして構えることでソールの接地面積が小さくなるので、ライの悪さに影響を受けにくくなる。ボールにコンタクトしやすいようにボール位置を右にセットしてインサイドアウトに振って出球を揃える。また、スクエアに振るとフェースがかぶって左に出やすくなるので軌道はインサイドアウト。ライの悪さに負けないように気持ち速く振る意識で。
逆目ラフ
抵抗の強さを前もって頭に入れて打つ

手前から芝ごと打つ方法とボールに直接コンタクトする方法がある。いずれにしても芝の抵抗は大きくなるので、普段の振り幅よりも大きく振る必要がある。また、フェースがかぶりやすくなるのでフェース面は開いて構える。

フェース上めに当てて
勢いを抑える
GD グリーン奥の左足下がりからはどう対処しますか?
加藤 球が強くなるとグリーンに止められないので、フェースの上めに当てて勢いを抑えます。
GD 具体的な打ち方を教えてください。
加藤 左足体重で右足が邪魔になるので後ろに引いて構えます。その状態からフォローを低く出す。フィニッシュが高くなると芯に当たって飛んでしまうので、フェースの上めに当てるために斜面に沿って低く出すイメージです。あと構えの段階でハンドレイトにしてその状態をキープしたまま回転することも大切なポイント。手先で振らないようにしてください。
グリーン奥の左足下がり
手元がヘッドを追い越さない

インパクト以降、ヘッドをなるべく斜面に沿わすように低い位置をキープすることを心がける。そうすることでロフトが寝た状態で振り抜けるので、左足下がりでもフワッと柔らかい球が打てる。グリーン手前にワンクッションさせずに寄せられるので、ピンに寄る確率が上がる。高さを出そうとしてフォローが高くなると飛び過ぎる可能性があるとともに、トップやダフリのミスも出やすい。
週刊ゴルフダイジェスト2026年9月29日・10月6日合併号より


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