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【ドラコン女王チーム“飛ばす”の入口】<後編>「やった人から飛ばし屋に! 自然に体で打てるアドレスと、2つの厳選ドリル」

元祖ドラコン女王の斉藤かおりが“最強チーム”で迎えてくれた。前回に続き、“飛ばし”の入口を聞いた。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/スイング碑文谷、サーフゴルファーズ碑文谷

斉藤かおり 28歳でゴルフを始め、江連忠に師事。米LPGAティーチング資格を取得。ドラコン競技で最長記録342ヤードを記録。国内ドラコン10勝・5年連続チャンピオン、世界大会にも出場してきた

渡辺隆介 

BRANTAGOLF所属。ギアーズマスターインストラクター。16年、アメリカ最大手レッスンスタジオのGOLFTECにて世界一のアワードを受賞。タイトリスト公認フィッターなど数多くの資格を保有

二口涼 

BRANTAGOLF所属。ジュニア時代から選手として活躍。LESMILLSなどのフィットネスプログラムの指導も。メンタル心理カウンセラー、Mach3マスタートレーナーなどの資格を持つ

(※)ギアーズとは、最先端の光学式モーションキャプチャーシステムで、スウィング中の体やクラブの動きをミリ単位で測定し3次元で可視化する。今回は体のデータは取らずに、クラブのインパクトデータを見ることにした。

>>前編はこちら

「クラブ軌道、フェース向き、スピンロフトが適正になります」

多くのアマチュアに教えている二口に、飛距離をロスしているアマチュアの“あるあるスウィング”を再現してもらった。

「やはりアウトサイドイン軌道の方が多い。スライス系のこすり球になり、スピン量が多く飛ばないんです。具体的にはまず、バックスウィングのときの体の回転が少なく、いわゆる手打ち、手で持ち上げるようなトップになっている。手が後ろまで行っていないので、ダウンで手の位置が前にきてアウトサイドイン軌道になります。スウィング中、軌道に対してのフェース向きがずっとオープンになっていることも多いですね」

この再現スウィングをギアーズで計測すると、スピンロフトが18・1度、スピン量は約5000rpm(HS35m/s)。

[正面]

右腕が内旋し、右ひじが外側を向いたままクラブを握ってしまう人が多い。「肩と左腰を下げて、まず左手を握って、右手のひらを上に向けてひじをつけ、そのまま手だけ握るイメージがいいです」(二口)

最初からアウトサイドイン軌道になりやすい構えになっている人も多い。「するとトップのポジションにきたとき右ひじが外に開く。だからダウンスウィングで右肩、右腰が前に出ていくんです」(渡辺)

[後方]

「左足のつま先と右足のかかとに体重がかかっていればだいたい重心はセンターを保てると言われています。もも裏やお尻を鍛えるコンディショニングも効果的です」(渡辺)

スウィング中、両足のつま先に体重がかかり、お尻が前に出てしまうことで、前傾姿勢が崩れ手打ちを誘発しがち。「これもアウトサイドイン軌道につながります」(渡辺)

「軌道がアウトサイドインになっていて、その軌道に対してフェースが開いている。入射角度がきつめでダウンブロー寄りになり、それとフェースが開くという組み合わせなので、スピンロフトが大きくなって飛距離をロスします。この部分がインサイドアウトになりフェースが閉じる方向にいってくれればスピン量は減るので、高打ち出し低スピンという状態が作れるんです。もし、インサイドアウト軌道でスピン量が多いなら、アッパー軌道が強くなりすぎているということはあるかもしれません」と解説する渡辺。

ドライバーで、スピン量が減るスウィングに変えるためには、まず正しいアドレスが必要だ。

「そもそも構えたときにシャフトに対するフェースの向きが開いているとダメ。ボールがつかまる前提ができていないんです」

また、グリップも原因だと語る。

「アドレスで右腕が内旋している状態でクラブを握っている。するとスウィング中にわきが開いてフェースも開きやすい。フェースを閉じようとして同様に構えてしまい、結果ウィークグリップになって右ひじが内旋するので、こちらも結果的にわきが開いてフェースも開いてしまいます。右ひじを上に向けたままのイメージで握るようにするといいと思います」

そして、スピン量を減らす一番シンプルな方法は、「右を向いて打つこと」だと渡辺。

「プレーンの向きが変わる。クローズスタンスでフェースだけ閉じて打ってみることです。どれくらいインサイドからアタックしたいかで加減は必要ですけど、少し足を引くだけでもいい。やりすぎると腰痛になる可能性もあります」

「深いお辞儀から、いいアドレスが作れるんです」(斉藤)

深く丁寧なお辞儀をするイメージで。「股関節を屈曲させて、お尻に力が入る、触ると少し硬くなっている感じにする。ひざが曲がってしまうとお尻の力は抜けるんです」

体の使い方をドリルで覚える
「足や体幹を使うことは必要。自然にできるようにします」

アウトサイドイン軌道の修正や体の開きを抑えるために有効なドリルがあるという斉藤。クロスハンドグリップでの打球練習だ。

「アウトサイドからクラブが来る人は、体が突っ込んでいる人が多いですよね。クロスハンドだと右腕が出しゃばらないので、右肩が前に出なくなります」

また、手首が余計な動きをしないのでフェースの向きや入射角が安定し、左手がリードするので体が開きにくくなったりするメリットも。

「両ひじの長さがいつもと逆なので、最初はなかなか当たらないかもしれません。ですから小さいスウィングから始めましょう。ミスが出ても、たとえばトップしたら“体が少し起き上がっているなあ”などと感じることが大事。きちんとボールに当たるようになれば、芯をとらえられるようになった、入射角が安定したということ。自然にミート率もアップします。それに、このドリルで、体幹をしっかり使うということも自然に身につきます」

今回、「スピンロフト」に着目してきたが、すべてのデータは絡み合っていることがわかる。

「ギアーズは、インパクトのデータ、入射角度と打ち出し角度とスピン量とボールスピードなどの相関関係が一覧できることもいいですよね」(渡辺)

クロスハンド打ち「入射角も安定します」(斉藤)

8Iや9Iで最初は小さなスウィウングでOK。徐々に大きくしていこう。「体の動きは通常のハーフスウィングと同様。クラブを手で動かすことがミート率を落としたりスピン量が適正にならない原因だとわかります」(斉藤)



斉藤は語る。

「私が計測していたのは、自分のヘッドスピードが生かせているかどうか。だから、体の使い方や芯をとらえたときの適正なスピン量、ミート率などをチェックしていたんです」

スピンロフトを適正にするためのドリルは、実際、HSを上げることにもつながっていく。

「体の使い方」を覚えるドリルをもう1つ紹介してもらおう。大きめ(長め)のタオルやロープを連続で振るものだ。

「飛ばない人は体の動きの順番が上手くできていない。連続で振っていると、下半身を使うことで手が動くという下からのシークエンスを意識できるようになります。また、手首を動かすのではなく、足を踏ん張ってお腹から動かしてあげる。連続した動きをやっているとだんだん綺麗に動いてくる。股関節が動くようにもなります」

“飛ばし”の入口に立った私たち。自分の目標値をクリアして、飛ばし屋に変身しようではないか。

タオル素振り「股関節が使えるように」(斉藤)

「Mach3」では太いロープを使って行う。タオルの先端を結ぶなどして重みをつけるといい。正しいアドレスの構えでひじは曲げず、フォロー側から10回連続振ってみよう。「とてもきついです。足とお腹を使わないと速くも連続でも振れません」(斉藤)

斉藤、二口を含め日本にマスターインストラクターは3人しかいないという「Mach3」。足と肋骨(体幹)をしっかり動かすスピードトレーニングのプログラムだ

正しいアドレス&ドリルでスピンロフトが劇的に変化する

自分の過去と、また他の人とデータを比較し一覧できることもギアーズの特徴。スピンロフトに関しては、ドライバーの場合、10〜14度に収まると、適正なバックスピン量(2200〜2600rpm)に収まると言われている(適正さはHSによっても変わります)。

週刊ゴルフダイジェスト2026年7月28日号より