森守洋「レッスンは受けるな」Vol.24 心のHP(ヒットポイント)を減らさないようにする
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
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- 堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。 PHOTO/ARAKISHIN >>前回のお話はこちら File.23レッスンの本質 プロもアマも実は教えていることは同じ 今シーズンの国内女子ツアーの最高賞金額となったEARTH MONDA……
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感情
心のHP(ヒットポイント)を
減らさないようにする
先日行われた女子ツアー『EARTH MONDAMIN CUP』でルーキーの横山翔亜選手のキャディをやりました。結果は予選落ちでした。ショットもパットも技術の一つ一つはシードが獲れるレベルですが、それでも予選落ちに終わってしまう。
要因はいくつかありますが、中でも特にこの部分が足らないと感じたのは、ゴルフをゲームとして捉えていない点です。僕がよく表現するのが、ゴルフはオセロとか将棋とかチェスのように押し引きをしながらプレーしなければならないということです。
横山選手の場合、単純にいいショットをして、いいスコアを出すことだけに意識が行きすぎて1つのミスを引きずり、1つのボギーで気持ちがどんどん落ちていきました。キャディをして横で見ていて「ここはボギーでいいな、ここは納得の捨てボギーだな」と思う場面でも半端なく心が落ち込んでしまう。どんなに励ましても次の一打に向かう時には心のHP(ヒットポイント)が足らない状態になってしまっているんです。
一方で堀琴音選手なんかは、ミスに対して大きなリアクションで怒り狂うんですが、その後はすぐに次に何をするべきかに心が切り替わっています。次に己が何をするべきかに集中する能力はものすごく高いと感じます。これをよくアンガーマネジメントと表現しますが、要するに心のHPを減らさないためには必要なことなのです。
ただ、心の切り替え方は人それぞれ違っていいと思っています。長いゴルフの歴史においては能面のように淡々と心の波を抑えるのが上手な一流プレーヤーが多いのは事実ですが、タイガー・ウッズだってローリー・マキロイだってミスをしたら怒り狂うし、クラブを折ることだって過去にありました。
クラブを折るような行為は真似てはいけないことですが、感情を出すことだけを切り取ると、見ている側にとってはそういうリアクションをしてくれる選手のほうが楽しいですけどね。
大切なのはそうやってその場で気持ちをいい意味で切ること。だからトップ選手らは次のショットに影響が出ないわけです。
これは一般のアマチュアの方にも同じことが言えて、ミスを引きずらずに気持ちを切り替えるすべを習得することは、技術を身につけるよりもいいスコアを出すために必要なことになります。心のHPを減らさない方法は人それぞれの性格に関係するもので、短気でも短気じゃなくてもその人のアイデンティティでいいと私は考えています。
ただ、大事なことは怒るか怒らないかということよりも、自分が力を発揮できるパターンを知るということです。プレッシャーをかけたほうが実力を発揮できる人もいれば、プレッシャーをかけたら全くダメになってしまう人もいます。
そういう人は自分の心の中に自分が求めるキャディ像を描いてみてください。ミスしても褒めてくれるキャディ、死ぬわけじゃないから気楽にやりなよと言ってくれるキャディを自分の心の中に雇っちゃうイメージです。心のHPをいかに減らさずに18ホールを回り切るか。
プロで言えば54ホール、72ホール、もっと言えば1年間を戦い抜くためにゲーム感覚でゴルフと向き合うことが必要なのです。
強い選手ほど喜怒哀楽を出した後の切り替えが上手い


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年7月28日号より


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