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【ゴルフせんとや生まれけむ】林昌範<前編>「今のところゴルフは道具じゃないと思ってます」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、元プロ野球選手の林昌範氏。

高校卒業後にプロ野球の世界に入り、1年目のオフにゴルフを始めたので、19歳の冬ですかね。左投げ左打ちなので、ゴルフも左打ちでスタートしました。

野球用品でお世話になっていたミズノさんにクラブ一式を揃えてもらいました。チームの納会ゴルフの日にゴルフ場で新品のビニールカバーを剥がしていたら、怒られた記憶があります(笑)。

初ラウンドのスコアは、確か140くらいだったと思います。悔しい思いはありましたが、高卒1年目のルーキーなんてゴルフはなかなかできません。本格的に始めたのは、2年目のオフの自主トレのときです。場所がグアムだったので、午前中にグラウンドで練習し、午後にレオパレスのゴルフ場でラウンドしました。

先輩と3人で自主トレをしていたのですが、ボクと1人の先輩がゴルフを始めたばかりですごく下手だったので、もう1人の先輩がかなりカリカリしながらプレーしていたイメージがありますね。

当時は左利きでも「ゴルフは右でやったほうがいい」と言われていたんですよ。先輩からも「右でやれ」と言われたんですけど、右のクラブを借りて打っても、感覚が全然つかめませんでした。それで「ボク、右はダメですね。左でやります」ということになりました。その先輩は野球は左打ちで「たまには左で打ってみるか」という感じでボクのクラブを練習場で使ったことがありました。そうしたら打った瞬間に、ボクのドライバーの先端が「バーン!」と飛んでいったんですよ。

それなのに先輩は大笑いして、「よしっ、帰ろう」と言うんですよ。ボクは「えっ!!」「ウソでしょ!?」「明後日ゴルフなんですけど」「ドライバーないですよ」と、そのときは新しいドライバーを自分で買いました(笑)。

ただ、現役時代は自分でクラブを買った記憶はほとんどありません。当時の巨人は左打ちの方が何人かいて、高橋一三さん(2軍投手コーチ)、篠塚(和典)さん(1軍打撃コーチ)、工藤(公康)さん、高橋尚成さんなどがレフティでした。

篠塚さんと一緒に回ったとき、「何のクラブを使っているんだ」という話になり、「本間(ゴルフ)がいいぞ」と薦められました。それで本間を見に行ったら「こんなに高いのか!」とビックリし、「これは無理だ」と諦めました(笑)。

その後、工藤さんと投手会のコンペで一緒に回ったとき、「このクラブ、いいですね」という話をしたら、「2セット持っているから、1セット貸してやるよ」と言われ、ずっと借りたまま使わせてもらっていました。だから買った記憶があるのはドライバーくらいですね。逆に言うと、自分で買いに行っても種類がないから選べないし、スペックが自分に合っているかどうかもよくわかりません。「このアイアン、結構難しいよ」などと言われることもあるのですが、「じゃあ、簡単なアイアンだったら上手に打てるのか」といったら……? 他の人のクラブを借りて打っても、あんまり変わらないんですよね。

ということで、今のところ「ゴルフは道具じゃない」という結論に至っています。

>>後編につづく

林昌範

1983年生まれ、千葉県出身。01年ドラフト7位で巨人に入団。2年目から1軍に定着し、リリーフ投手として活躍。08年トレードで日本ハム移籍。11年橫浜DeNA入団。17年引退。引退後は父親が経営する自動車学校の専務を務めながら、解説者としても活動

週刊ゴルフダイジェスト2026年7月7日号より