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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.278 『もう一度回りたい』と思われるゴルファーに

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tadashi Anezaki

>>前回のお話はこちら

  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今回もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 先日、前の組が毎ホールセカンド地点でつかえるので見ていたら、全員がレーザー計測器で距離を測っとるわけです。もう“野鳥の会”の人たちかなと思うくら……

プレーが遅いのは諸悪の根源やと僕が思う、その理由を言います。

まずプレー中に自分の時間ばっかり取るわけですから、人に嫌われます。基本的にゴルフのラウンドは4人で回るので、その組のペースというんがあるわけで、そのペース配分を一人で半分も使つこうてしまったら、他の3人はその半分でやらんといけなくなります。4人のうち2人が遅い場合は、他の2人はほとんど時間がなくなるんです。4人が4人とも距離を測って、風を読んで、ルーティンをたっぷりして、仕切り直しして、なんてやったら後ろが詰まってあきませんからね。


もちろんワンラウンドで1、2回、勝負どころで「すみません。ここちょっと時間いただきます」いうんやったら、ああこれは大事なとこやなとか、このパーパットは絶対沈めたいんやろなとか、そんなんはわかりますから、そこは暗黙の了解いうんがプレーヤー同士にはありますし、時間をかけても悪い気はしません。
 
でも、よーいドンから終わりまで毎度、時間をかけてルーティンや言われたら、そんなんはただの迷惑行為です。一緒に回る人は自分の持ち時間を削られてペースを乱されるわけですから、そら嫌われます。
 
ただね、そうやって一人で時間を使う人は、それに気づいてないんですわ。それよりもナイスショットを打つほうが尊敬されて好かれるとか思うとるんでしょうけど、むちゃくちゃプレーが遅けりゃ、そんなもんなんの足しにもならないことがわかっとらんのです。「自分」しか頭にないわけで、他人のことなど気にもしていないわけですよ。
 
もちろん、別に人から好かれたり尊敬されなくてもええですけどね。ただやっぱり最低限の気配りいうんは必要で、それがあるから一日気持ちよくプレーができるわけで、それがゴルフの精神であり、そこはいくら時代が変わっても引き継がれていくもんやと思います。
 
ゴルファーであれば、「もう一度あの人と回りたい」と思われるゴルファーになりたいもんです。亡くなったジャンボさんはプレーは早かったですからね。強さだけやなくて、そういうところもお手本にできる人やったと思います。

「スロープレーがあかんという話ばかりしますけど、嫌われても何度でも言います。ゴルフの、人としての基本ですから」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月23日号より