Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • 週刊GD
  • 【78歳でシングルに!】<後編>「目標は、飛距離を落とさないこと。それだけです」

【78歳でシングルに!】<後編>「目標は、飛距離を落とさないこと。それだけです」

ゴルファーなら一度は憧れるハンディキャップ9以下の「シングルさん」。今回は78歳でこれを達成した強者(つわもの)ゴルファーをご紹介しよう。シングルへの道とはどのようなものか。前回に続き、話を聞いた。

PHOTO/ Yasuo Masuda THANKS /東松山カントリークラブ 

福田清 ふくだ・きよし。ベストスコアは76。エージシュートも5回。最初は同級生との年に1度の夏のコンペで。「一番嬉しかったのは2年前、東松山CCで選手権予選前の練習ラウンドで出たことです。ゴルフ、飽きないですね。毎回同じようないいスコアが出ないからでしょう」

>>前編はこちら

日々の筋トレで飛距離アップ

レフティでも飛距離やスコアは変わらなかったが、53歳のとき東松山CCの法人会員に、10年後の退職時には個人正会員となった。64歳で会社顧問になりグッとラウンド数が増え、クラブの友人に誘われて月例会に参加するようになり競技ゴルフの面白さに目覚めた。このときのHCは23。

「その頃はハーフで平均50、たまに40台が出るくらい。実は会社を辞めてゴルフを趣味にするとまでは思っていませんでした。当初はオートバイを楽しもうと思っていました。若い頃は”ナナハン”に乗っていましたから。でも皆に危ないからやめろ、大けがしたら面倒を見られないと言われて。ゴルフは友人や会社OBの仲間がいたし、まあ好きだったのでしょうね」

さて、改めてシングル入りの話である。生涯100を切れないゴルファーが7〜8割とも言われるなか、夢がある話なので、どうしても秘訣を聞きたい。

「回数が増えたのが一番大きいですね。メンバーになって当初は年に60回くらいだったけど、昨年は110回プレーしていますから。あとは、飛距離が伸びたことかな」

退職時は200ヤード飛んでいなかったが、現在の飛距離は230ヤード。ここにも夢がある。

「筋トレが効いていると思います。それで自然に伸びました。妻とジムに毎日のように通い、ランニングマシーンで斜度9度を時速4.5kmで約40分間、計3km歩き、5種類くらいの筋トレマシーンで背筋、脚力、腕力、腹筋を鍛え、それからお風呂に入って帰る生活を続けていました。今も週2、3回は行っています。やはり下半身が大事。運動していない同級生を見ていると、下半身が弱くてクラブが振れない感じ。また柔らかさも必要。何もやらないと年齢とともに体は硬くなります。72、73までは大丈夫ですけど、そこからです」

70を超えれば”病気の話”もたくさん持っている。退職時には体重71kg、糖尿病予備軍だった。だからこそジム通いを始めたのだ。そこから61.5kgまで落とし、血糖値も一時的には下がった。

「最近また飲み食いしすぎで数値が増えてこの前先生に怒られたばかり。僕は11年前に突発性難聴のため入院し1カ月間ゴルフ禁止、10年前には練習場でマットを打ちすぎて、右手首が痛いのに出場した競技中に有鈎(ゆうこう)骨を骨折し手術後半年間ゴルフ禁止、7年前には前立腺がんの手術後3カ月のゴルフ禁止と、ゴルフができない期間、かなり多いんですよ」

病気の話が勲章になるのは、今の健康があってこそ。これは身に染みているという。

「難聴のときもすぐに病院に行けといってくれた女房のおかげですし、前立腺がんも健康診断で見つかった。ただし、もっと前に精密検査を受けておけば手術しなくて済んだようです。気にしすぎもよくないけれど、やはり自分が納得するまでは検査をしたほうがいいでしょう。年寄りは病気をすると筋肉が落ちるので一気に体力が落ちてしまう。ただ僕は、病気やケガで気持ちが落ちたことはなかった。右手を折ったときは、普通は怖くて振れなくなるけれど、右用のクラブでゴルフをしたら何とかできました」


パットはコースでは右で、家では左で練習。「普段のラウンドは右でパットしますけど、レフティ協会の競技に出るためには左でないとダメなのです」

アプローチは左で。「ボールを左に置きすぎで打ち急ぐクセもある。低い球で転がすイメージでちょうどいい感じです」

アプローチとハーフショットを練習

夜は22時過ぎには寝て、朝4時には目覚める。朝は布団のなかで足を動かす。

「潤滑油の切れた機械みたいなものですから毎日動かす必要がある。やはり70歳くらいからのメンテナンスによって人は変わると最近思います。年を取ると、トボトボと歩く感じになってしまうことは僕にも理解できる。だから動かしているんです」

時間をかけて柔軟性を心だけでなく体にも培ってきた福田さんは、ここから”シングルさん”となる。

「なるとは思っていなかったですよ。目標はBクラスのHC13でした。でもハンディってやっぱり運も必要ですから。立て続けに良いスコアが出るとシングルになれます」と謙遜しながら、現在もHC9は維持している。

「何も変えていないんです。体力がついてきたことと、ジムの室内練習場でアプローチとハーフショットを続けてきたことはよかったかな。友人に長いクラブを練習しすぎだと言われて。皆アプローチの練習が多い。僕はアプローチがあまりに下手だから友人から”足をそろえて打つ”ことを習い、ボール代がかからないジムで練習する。8Iか7Iでのハーフショットも上級者の方に勧められて始めた。形を気にするのではなくゆっくり振る。今でも週1回30分、これらの練習はしています」

シングル入りの最後のキーワードは、”仲間”と”人の意見を聞く耳”なのだろう。

「クラブにいつも一緒にラウンドする仲間が4、5人います。今一緒に回っているのはクラブで知り合ったAクラスの方が3人、Bクラスにも2人います。同級生とは夏のコンペで、会社の寮の近くにあったスナックのマスターとは2カ月に1度くらい一緒にゴルフしていますし、あとは会社でお付き合いのあった方々とも……」

仲間がいてこそのゴルフライフ、ゴルフ上達なのだ。

「このクラブの先輩、聞くとすごく親切にいろいろなことを教えてくれます。競技も盛んで、皆さんとても真剣に取り組んでいますから。でも皆に言われますよ。『もう習ったって上手くならないからやめたら。上手くなっても、もうすぐ死ぬ年なんだから楽しんだほうがいいんじゃないの』と。でも僕はやりたいんです。実は、レッスンに通い始めて昨年の12月はずっと100を叩いていました。でもまだスウィングは奇麗になっていませんから……。あるシングルの方もプロに習って半年くらいでやめたそうで、『やるんだったら辛抱してやったほうがいい』と言われました。だから、1年は辛抱しようと思っています」

もう一段上に行きたいから教わる、辛抱する。今はスコアを二の次にしても、この先のゴルフライフにつなげるのだ。

「僕は、意外と諦めないタイプかもしれません(笑)」

70台で回るためには?

「僕が言うのもおこがましいですけど、飛距離は220〜230ヤードは必要です。あとは曲げないこと。そうすれば370ヤードくらいまでは2オンのチャンスはあります。そして2オンできないホールでも3オンはしっかりと。バーディが1つはあること。だから、今の僕の目標は飛距離を落とさないことだけです。今のところは何とか落ちていないと思います」という言葉に、”ここから先”を見据えるシングルさんの自負があった。

「目標は、飛距離を落とさないことだけです」

ひと回り以上年下のゴルフ仲間、小林淑紀さんは、「4、5年前の混合月例で気が合って以来よく一緒に回ります。あの頃から飛距離が50Yくらい伸びたのでは。抜かれましたよ(笑)。でも僕も筋トレで20Y伸びました。福田さんのおかげかな」

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月9日号より