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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.57「シニアのアプローチミスは“老化”と“イップス”⁉」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

最近マジで頻繁に見かけるのが、シニア世代のアプローチミスです。過去30年くらい一緒にゴルフをして、80台をばんばん出していた良きライバルであり仲間が「こんなところで凡ミスするか」という場面に出くわします。

しかも1回ではなく何回もあり、もはやトラウマ。さらに次のラウンドで会ってもまた寄せのミス。しかも、そういう人は一人ではないのです。かくいう私も一時期アプローチのミスで悩んだことがありました。今回はそんなシニアに起こる怪現象(?)の謎を追います。


ミスはイップス?

シニアに起こるアプローチミスは一種の“イップス”かと。通常グリーン上のパットで起こりがちですが、アマチュアのパットはオーケーが出ますので、プロのようなパターイップスにはなりにくいのです。還暦を過ぎた体は、油が切れた機械みたいなもの。手がスムーズに動かず、ふんわりしたアプローチができない人が多いです。

しかも『アプローチ上手』といわれた人がそうなりがち。昔は30ヤードをビシッとピンにつけたぞと、過去の栄光が逆にプレッシャーになるというわけです。年老いて老眼が進行している今、芝とボールの境目に、きっちりフェースを入れようなんて至難の業。これじゃ自らミスしようと志願しているようなものです。アプローチのミスは目立ちますよね。チャックリやトップは、周りの同伴者に見られていて恥ずかしい。だから余計にプレッシャーがかかるのです。

イップス先生一丁上がり

老化による“イップス”が起きるのはわかりました。さて我々はどうすればいいでしょうか。

あくまで自分の経験で言うと、上手かった人で、今はミスしがちな人ほど、本格的なウェッジを使っているんですね。スピンがどうの、バウンスの利きがどうのとかね。キミ、キミ! 今そのレベルじゃないでしょう、と言いたいのです。

しかもアプローチのミスは季節ごとの対応ができない場合が多いです。日本は1年を通じて様々なライがあります。冬の枯れ芝、ベアグラウンド、芝の生え替わり、長いラフと四季ごとに状態が違います。加えて芝の逆目、順目、砂交じりの芝とかね。シニアは瞬時に芝の状態に対応することができません。

セットものウェッジがいい

ここは思い切って外ブラの高額なスチールシャフトのウェッジをやめ、国産のカーボンシャフトのしかも、セットもので売ってる吊るしのウェッジを使いましょう。

個人的に愛用しているのは、『ヤマハ・インプレスUD+2』の初期型のSW、AS、AWです。もちろんシャフトはR。こういうベタなウェッジを使ってみてください。驚くほど簡単だから。

どんなライでもそこそこ当たって、ミスが非常に少ないです。精度で言えば、やや鈍いかもしれませんが、ミスするよりはマシ。もう残り10年のゴルフ人生、こいつと心中する覚悟です。

逃げ道は作っておく

先日、昔のゴルフ仲間が苦戦していたので、前の組が詰まっている時、9番で“スライド打ち”をしたらと、軽くアドバイスをしました。その人は元々上手い方なので、すぐコツをのみ込み、簡単じゃんと言って大喜び。

すかさず次のホールのグリーン周りで試したら、上手に寄せました。9番スライド打ちは、以前も何回か紹介していますが、9番アイアンをパターのように持って、パターと同じ距離感で打てる優れものです。テークバックとフォローは同じ大きさ。これさえ守れば、30ヤード以内は何とかしのげます。

とまあ何か逃げ道の技をひとつ作っておくことが大事です。その逃げ道スキルを持ちつつ、本筋のアプローチを簡単なクラブで、反復練習しましょう。

ヘッドアップ防止

実はアプローチが決まらない人は、焦り過ぎてヘッドアップをしていることが多いです。9割方ヘッドアップが原因だと思います。

ヘッドアップなんて、ゴルフを覚えたての頃にやるもんだろ? いえいえ、子供の頃にかかった水疱瘡(みずぼうそう)が、老人になると帯状疱疹となり戻ってくるのと一緒。ゴルフは「ヘッドアップに始まりヘッドアップで終わる」と心得るべし。

そして『アプローチにOBなし』と言われていますから、決してボールの行方を追わず、ターフ跡を見ていてください。というわけで、トラウマは解決! イップス先生さようなら~。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2026年5月26日号より