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【対談】杉浦悠太×出利葉太一郎<後編>「2人でPGAツアーでプレーしたい」

2023年にプロ転向し、今年25歳を迎える杉浦悠太と出利葉太一郎。日大ゴルフ部時代の同級生で、共に世界を目指す期待の若手選手だ。お互いに「出会えてよかった」と口をそろえるライバルであり親友2人のラウンドに密着した。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara THANKS/中日クラウンズ(名古屋GC和合C)

杉浦悠太 

すぎうら・ゆうた(24) 2001年生まれ、愛知県高浜市出身。3歳でゴルフを始め、福井工大福井高を経て日本大学へ。アマ時代から活躍、その集大成が23年のダンロップフェニックス優勝だ。その日のうちにプロ転向。24年の日本プロで大会史上5人目の初出場初優勝をプロ12戦目で飾り、25年にはACNチャンピオンシップで優勝し賞金ランク29位。最優秀新人賞獲得。172cm・74㎏・A型

出利葉太一郎 

いでりは・たいちろう(25) 2001年生まれ、福岡県福岡市出身。8歳でゴルフを始め、沖学園高を経て日本大学へ。ナショナルチームでも存在感を示し、大学4年の23歳でプロ転向。24年はシードには届かなかったが着々と成績を重ね、25年は9月にプロテストでトップ合格、ACNツアー最終戦で初優勝、レギュラーの賞金ランク58位で初シード獲得。PGAツアーのQスクールにも挑戦。180cm・87㎏・B型

>>前編はこちら


出利葉 悠太はクールですけど、変な人(笑)。でもとにかく自分の軸があるので、やっていることがいつも変わらないな、すごいなと思うんですよ。僕は大学時代も個人戦で負けて悔しかったことのほうが多かったし、悠太は大学4年生のときにダンロップフェニックスに勝って、そのあとプロになって、ポンポンと行ったので気持ちは複雑でした。半分は悔しかったですよ。

杉浦 そこに関して僕が何か言うのは難しいけど、僕も、太一郎だけにかかわらず同世代の活躍は気になるし、悔しいという気持ちは出てきます。でも、そのなかで頑張って勝とうとやるしかないですから。


出利葉 アマチュアのときは一緒に戦っていたのになぜ自分だけ、こんなはずじゃないと思ったこともある。でも今の実力なんだから練習などももっと考えないといけないと思うようになりました。誰かと比べたらつらくはなりますけど、1つずつ少しずつ成長している感じ。結果も少しずつよくなっているので、焦らずに行きたいと思っています。

――夢の舞台へ向けて、今、それぞれがいる舞台で懸命に戦っている。

杉浦 アメリカでは、アプローチ、パッティングの練習をすごくしています。そのぶんショットの練習は減ったかもしれません。今、ショットが安定していることもありますけど、もっとショートゲームを頑張りたいなと思うんです。特にパッティング。昨年、パター自体も替えたんですけど、ストロークも含め、いろいろと試している段階です。ストローク面で言うと、フェースを真っすぐ真っすぐ出すようにすることをやめました。短いパットならばそれでいいんですけど、ミドルパットで真っすぐに上げようとすると逆に難しいというか、手を使ってしまうようになる。体を使うように取り組んでいます。日本のグリーンは本当に奇麗で、少し回転が悪くてもあまり影響しない。でも、アメリカや海外のグリーンは芝目がしっかり見えるコースが多いので、転がりがすごく大事だと思います。だからこそ、体を使って打つ必要があるんです。

出利葉 僕の課題もショートゲーム。グリーン周りの中途半端な距離のアプローチも大事だと考えているので、練習あるのみです。今、練習の6~7割はショートゲームに取り組んでいますね。毎週、実際に試合のコースの練習ラウンドで確認できる、この環境があるのがすごいと思いますし、本当にありがたいです。そしてやっぱりドライバーをもっともっと振っていきたいなと考えています。“飛ばすだけ”も、僕の一つの魅力だと思いますから。

「体を使い、海外の芝目に負けない転がりのよいパットを」(杉浦)

真っすぐ出すことにこだわらないストロークを模索中の杉浦。プロになっても変わらないところがある。「試合で全然ダメなときでも最後まで諦めず、適当にプレーしたりしません」


「中途半端な距離の精度アップと
“もっと振る”こと」(出利葉)

ショートゲームに多くの練習時間を割きつつ、自分の武器も磨きたい。「皆違うゴルフスタイルがあるなかで、自分のゴルフを確立していくにはまだ発展途上です。ゆっくり頑張ります」




杉浦 僕はまたすぐにアメリカに戻りますけど、コーンフェリーツアーもここからが勝負。まだあまり多くのプロとは回れていませんが、PGAツアーで戦っていた選手もたくさんいますし、僕より若い選手のほうが多いので、しっかり負けないようにしたい。英語は今、頑張って勉強しています。日本人で話せる方に教えてもらっています。向こうのプロは話しかけてくれるんですよ。質問に答えたりするくらいはできるんですけど、会話みたいなものはまだできないので、こちらも頑張りたいです。

出利葉 僕も英語が話せるようになりたいこともあって、キャディさんを海外の方にお願いすることも。正直、勉強する時間はなかなか取れないので、まずは身近にいる方と話すようにしたい。実際、海外の方にキャディをしてもらうとプレーもしやすいです。

杉浦 僕はキャディさんと2人でツアーに参戦しています。ご飯は、朝昼はゴルフ場で食べられますし、美味しくないものはあまりない。やっていることは日本と一緒で、アメリカだからってあまり変わらない。選手が違うくらいです。そもそも、太一郎も僕も、アメリカでダメな食べ物ってないんですよ。だから、あまり不便を感じないのかもしれない。もちろん、パンばかりだとちょっとパサパサしてくるかなと思うけど、たまにお米などを食べられたら大丈夫。基本は外食。車で移動できるので、日本食レストランにも行けますから。

出利葉 確かに。僕も食べ物は、その土地のものに慣れようとはします。何でも食べられますね。

杉浦 リラックス法は、ゲームかな。シンプルなものが好きです。でも最近、時間があるときには英語の動画を見たりしています。映画を見て勉強するまでのレベルに行ってないので、少しずつ……。

出利葉 すごい。僕は本を読みますね。本が好きです。本屋やAmazonで買います。自己啓発本が多かったですけど最近はいろいろな分野、小説も読んだりします。ゴルフという専門分野ばかり学ぶと考え方が小さくなり頭が固まるので、他のことも知りたい。その知識は自分で手に入れないと入らないものですから。

杉浦 太一郎は本当に昔から本を読みます。僕があまりしないこと。ゴルフにもつながっていると思います。そういうゴルフに対する姿勢などは僕以上のところがあるから勉強になります。だから、やっぱり、一緒に大学入れてよかったなあと思うんですよね。

――久しぶりに一緒にラウンドして、「楽しかったです」と口をそろえる2人。ここからのお互いにエールを!

杉浦 最終的には2人PGAツアーでプレーしたい。そういうことを2人で話したこともあるんです。お互い、まだそこまでは行けていないので、早くそこで2人でプレーできるように、それぞれ頑張りたいですね。

出利葉 悠太が先に“そこに”近いところに行ったので。もちろん昨年、僕もその切符が欲しかったですけど、僕もトライし続けて、悠太が言ったように、PGAツアーで一緒に戦えることを目指して、僕は日本で頑張りますし、悠太にも早く昇格してもらって、また刺激が欲しいなと思います。

「自分をよく知っている。ルーティンが常に一緒」(出利葉)
フェースローテーションが少なくねじれがない。「いいイメージが出るものをずっとルーティンにしています」(杉浦)。バッグを担いでいた高田侑佑さんは、「冷静。あとは見たままで裏表がない。太一郎とは
仲が良くて2人の掛け合いは面白い。太一郎がすべって、それを冷静に悠太が流す感じです(笑)」

「伸び伸びしている。シンプルでムダな動きがない」(杉浦)
トップでたっぷりの間があり、ゆったり振る。「もっともっと振っていきたい。“飛ばすだけ”も、僕の一つの魅力だと思います」(出利葉)。キャディのジェフさんは、「モーストロングヒッター」と「グッドボーイ」という表現をしながら、「本当に親切なプロですよ。頑張ってキャディします!」

「トライし続けて、一緒に戦いたい」(出利葉)
「2人でPGAツアーでプレーしたい」(杉浦)

一緒に回っているプロたちにも突っ込まれる“愛されキャラ”出利葉と、出利葉のギャグは聞き流し気味の“クールキャラ”杉浦。「こういう役も大事なんですよ。そうしないと調子に乗って勘違いしちゃうんで(笑)」(杉浦)「本当に皆さんにはお世話になっています(笑)」(出利葉)

週刊ゴルフダイジェスト2026年5月26日号より