【目澤秀憲の目からウロコ】二重作拓也編③何を、どう言語化するか…「ちょっとしたこと」で劇的に変わる
目からウロコ
目澤秀憲コーチが、異業種からゴルフのヒントを得る連載「目澤秀憲の目からウロコ」。前回に続き、スポーツドクターの二重作拓也氏に話を聞いた。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara

目澤秀憲 ゴルフ界の最先端を知り尽くすコーチ。現在は河本力、金子駆大、永峰咲希、阿部未悠などを教える
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- 目澤秀憲コーチが、異業種からゴルフのヒントを得る連載「目澤秀憲の目からウロコ」。前回に続き、スポーツドクターの二重作拓也氏に、「スピード」を得る方法について話を聞いた。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara 二重作拓也 ふたえさく・たくや。スポーツドクター。格闘技医学会代表。8歳で空手を始め17歳でアメリカでも試合に出場。格闘技……
本当に必要な部分だけ言語化するのがいい
――前回、沖縄空手の手法で太ももに最大負荷がかかるポジション(下半身のブレーキ)を探るという話が、とても興味深いものでした。
目澤 スポーツのトレーニング方法とか指導法は、ずっと進化し続けていて、最新のものが最良のものだと考えがちですが、古くから伝わることの中にも大事なことがあるのがよくわかりました。それは、運動の「本質」の部分が、今も昔も変わらないからだと思います。
二重作 勉強と運動は違いますからね。勉強というのは言語化した知識を積み上げていく作業ですが、運動は頭の中にまず自分の理想像がなくちゃいけない。それをやるために何が必要かというところで初めて、言語が介在してくるんですね。
目澤 自分自身で気づくか、あるいはコーチが指摘するか。
二重作 反復練習の中にも、「9回目と10回目は何が違ったのか」という自分自身への問いかけは常に必要です。
目澤 コーチも1から10まで言語化して伝えるんじゃなくて、本人の「気づき」を促すような指導をしなくちゃいけませんね。たとえば、二重作さんがゴルフのコーチだったら、クラブスピードを上げるためにどんな言葉で指導しますか?
二重作 ゴルフのことはほとんどわからないですけど、ボクならまず「頭の高さを変えないで振ってみて」とだけ言うかもしれません。最初からパーツ論に走ってしまうと、全体の統合が外れちゃいますから。
目澤 前回、内ももにボールを挟んだら下半身が安定して腕振りのスピードが上がったのを体感しましたけど、それと同じような効果を感じますね。
二重作 まず全体を見てあげてから、その後で「パーツはこうだよ」というのを伝えて、本人のフィードバックを引き出すというのがコーチの役割だと思いますね。
目澤 コーチをしているなかで、言葉をたくさん伝えればいいというものではないということは、ボクも感じています。
二重作 運動のコツって「ちょっとしたこと」なんですよね。あまり言葉を重ねると、その言葉が逆に邪魔をすることがあるんです。たとえば、下半身を安定させるために「腰を落とせ」って言いますよね。それでお尻が落ちてかかと体重になってしまったら、もう動けなくて床に寝転ぶしかない(笑)。
目澤 ゴルファーにもそういう構えの人がたくさんいます。
二重作 だから、腰を落とすにしても「まず2センチ下げて、それから1センチ上げて」というふうに伝えると、結果が全然違ってくる。「ちょっと上げる」というところで、脳の神経支配が変わるんです。
目澤 すごい! 面白いほどアドレスの形が変わります。
二重作 自分だけのナビゲーションを持つことは大事です。ボクにも「(試合中に)両足がべったりつくとダメ」とか、いくつかあります。
ラウンド前の肩のストレッチはこれでOK

「握り方」の伝え方でも関節の動きが変わる
「果実をもぐ手の動きで体本来の機能を引き出せる」と二重作氏。パーからグーに一気に変えると手首の掌屈角度が制限されるが(写真上)、小指側から1本ずつ丁寧に握ると(写真中)、曲げ角度が増える(写真下)。「バイオメカニクスとは違ったアプローチで面白いです」(目澤)
月刊ゴルフダイジェスト2026年4月号より


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