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【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.43「“バニラピッチ”が流行。でもそれは昔教わった気がする」

飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。

ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら

先日、クラチャンレベルの友達のKくんとゴルフをしました。彼はゴルフ事情に精通していて、ゴルフトレンドウォッチャーと名乗ってます、って昔の自分かよ~。

そんな達人とラウンド中、グリーン周りでライが悪かったので転がしを選択しました。カツーン、コロコロと決まったとき、彼は「バニラビッチ」と叫んだのです。

最初何を言っているのか分からず無視しましたが、2度目の転がしでも言ってくる。バニラビッチって人名? ビッチだからセルビアの人? とりあえずその日は無難にプレーを終えました。

後日、言葉を調べるや、それは「バニラピッチ」という技でした。つまり上手いと褒めていたんですね。バニラピッチはショートゲームコーチのパーカー・マクラクリンが提唱している転がし技です。バニラはスラングで“通常の”、“ありがち”という意味になります。

バニラピッチが流行っているのは分かりますが、実は1997年に後藤修先生から「9番転がし」の名称で教わっていました。

97年の時、パーカー・マクラクリンはまだ18歳、アメリカで私の連載を読んだのかも? これはぜひ、名探偵津田(バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」の企画)に依頼して過去にさかのぼり、真相を究明してもらいましょうって、話がそっちに飛ぶのかよ。

昔タイガー・ウッズが全盛時、グリーン周りで3番ウッドで転がしていました。寄せ技は多種あり、個人で使うのは自由ですよね。今回は元祖・後藤流9番パター打ちを、現代のバニラピッチを参考にしながら勉強します。


後藤流の基本姿勢

後藤先生は9番アイアンをパターのように構えて、スライドさせて打ちなさいと言っていました。ボールをトウ側に置き、フェースのヒール部分を少し上げる。さすれば地面との摩擦部分が減り、ミスショットが減る。打ち方はパターのように腕で五角形を作り、スライドさせるように、と。これが97年当時の教えですが、ギアも進化し意識も変わっているので修正をしたいと思います。

打つクラブ

バニラピッチではSWも使用可能となっていますが、個人的にはしんどいかな。それはボールが上がってしまうからです。あくまでアベレージのアマチュアが、ライが悪くてボールを上げられない状態に打つショットゆえ、できる限りミスのリスクを軽減したいのです。

個人的に今使っているクラブは9番アイアンです。しかも、飛び系なので、後藤先生が教えていた頃なら8番アイアンになってしまうかな。いずれにせよミスが少なくて転がってくれれば、何番でも構わないのです。

構えと打ち方

パターのように打つのが基本ですが、これは実際打ってみて、自分が一番よく打てる方法を探すしかないです。後藤先生はトウ側にボールを置けと言っていましたが、そこまでクラブを立てる必要もないし、ソールを水平にしても打てますからね。

アマチュアでやりがちなのは、トップボールです。悪いライで勢い良く打ってしまうことがよくあります。まあスライド打ちなんで大怪我はしませんけどね。

そして問題は10ヤードの転がし、これをちゃんと打てるかが大事です。距離が短いほど加減が難しくミスしがち。しかも逆目のライ、ベアグラウンド等でボールが転がらないことがよくあります。

これはあらゆるライを実際打って経験を積むしかないです。ここで理論を持ち出すから混乱するのです。何度も失敗し、恥ずかしい思いをしてこそ泥臭い技が習得できるのです。

チッパーとの比較

転がし技はチッパーの打ち方と似ていると言われます。何が違うのかというとチッパーの場合、クラブを1本増やさねばならない。打つ難易度はほぼ一緒です。チッパー簡単説は私は否定的ですね。ちゃんと打たないと距離が出ないし、ミスも最初は多いです。

結局、同じ難易度ならアイアンの転がし技を覚えて、クラブを増やさないほうが良いと思います。

結論として

アマチュアが悪いライでボールを上げようとすると、チャックリやトップが出がちです。それに引き換え転がし技は、比較的小さなミスで済むことが多いです。

ショートしてもグリーンに乗るでしょ。なんだかんだ2パットのボギーで上がれることが多いです。冬場の強い味方、ぜひお試しあれ。

教える人/木村和久

「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー

週刊ゴルフダイジェスト2026年2月3日号より