【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.253「ゴルフでも仕事でも“人を待たせない”ことが大事」
奥田靖己「ゴルフはつづくよどこまでも」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Masaaki Nishimoto
>>前回のお話はこちら
- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Shinji Osawa >>前回のお話はこちら すでに報道もされていることですけど、エビさん(海老原清治)、飯さん(飯合肇)、司さん(渡辺司)たちは、それぞれ大病を公表されています。それでもエビさん……
プレーが遅い人とは一緒に回りにくいです。打つたびに待たなあかんから調子が悪くなります。待ち合わせでも仕事でも、人を待たせないということが一番大事なこと、基本です。
うちの先生(高松志門)がレッスンなんかで回っているときに、よく生徒さんに言うてました。「打つときにズーッと理屈言うてるやつおるやろ。ココに上げたらどうやとかこうやとか、そんなことどうでもええからサッサと打ちなさい」
先生が言うには、例えばティーショットでフェアウェイに行って、セカンドをバーンと打って、次にバンカー越えの繊細なアプローチが残ったとしたらちょっと素振りをやればいい。1打目、2打目とやってきた振り方とはちょっと違う打ち方になりますからね。そういうときは、ああこんな感じかないうんを確かめるための素振りはいいでしょうというわけです。
通常、うちの先生は素振りしません。僕は軽く1回、ワッグルみたいな素振りしますけどね。プロの世界でも、上手い選手はテキパキと回ります。これは世界共通です。
でもね、今の男子ツアーでは、練習ラウンドでハーフに3時間くらいかかるいうてますからね。以前、倉本(昌弘)さんと話したときに、練習ラウンドを途中でやめて帰ったことがある言うてました。みんながグリーン周りの全部のバンカーで練習するから、なかなか動かんらしいです。
先日も谷口徹くんとお茶を飲んで話しとったんですけど、やはり「奥田さん、今の若いもんは全部のバンカー打つんですよ」と言うて、だから、「そんなもん(全部のバンカーになんか)行くかって言うたったんですわ」と言うてました。
「よくそんなこと言うな。僕は後輩にそんなことよう言わんわ」言うたら、「僕は半分、冗談で言うてますから」と。「そうやな、僕が言うたら本気になってまうからな」と言うて笑ったんです。でも冗談やなくて、彼の言うことは間違いないなと思いましたけどね。

「実際、僕は先輩と付き合うほうが楽です。でもだんだん、ツアーで話ができる先輩が少なくなってきてますから寂しいです」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2025年12月9日号より


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